中國(guó)（大陸部。以下同）では10月1日の國(guó)慶節(jié)（建國(guó)記念日）から7日間の連休が続いている。中國(guó)政府?交通運(yùn)輸部は2日の時(shí)點(diǎn)で、連休中の移動(dòng)者數(shù)は前年同期比0．7％増、コロナ発生前の2019年同期比では19．4％増の19億4000萬(wàn)人に達(dá)するとの予想を発表した。一方で、中國(guó)については景気の低迷が指摘されている。臺(tái)灣メディアの中時(shí)新聞網(wǎng)は5日、「不景気なのに観光に出掛ける人がますます増加しているのはなぜなのか」と題する記事を発表した。

中國(guó)では人員削減の対象になる人も多く、たくさんの人がSNSに経済情勢(shì)が悪くて仕事を見(jiàn)つけにくく、収入が減ったなどと投稿している。しかし週末や連休になると、各地の観光スポットや飲食店には人々が詰めかける狀況だ。

一部のネットユーザーは、失業(yè)問(wèn)題が存在するのは事実だが、職を失ってもまだ殘っている貯金を頼りに旅行をして、気分をリラックスさせる人はいると指摘した。また、大金をかけない旅行を工夫する人もいるという。つまり、中國(guó)では「失業(yè)」が「金欠」に直結(jié)するとは言えない狀態(tài)だ。

一部の人にとっては、観光という娯楽は生活の質(zhì)を向上させるために欠かせない手段であり、環(huán)境が良くなくても何とかして実現(xiàn)しようとする。もちろん、極めて慎重に費(fèi)用を節(jié)約する人もいるだろう。人々の選択はさまざまだ。

観光については、以下のような狀況を見(jiàn)て取れる。まず、観光に関連する三大支出は「観光地の入場(chǎng)料」「旅行先まで往復(fù)する交通費(fèi)」「宿泊費(fèi)」だ?，F(xiàn)在では各地の観光業(yè)者や観光地が、チケット割引や低価格ツアーなどを打ち出し、より安価な旅行商品を提供することで、観光客を呼び込もうとしている。

観光客側(cè)には、「旅行先ではタクシーを使わずにバスや地下鉄を利用」「夜行列車(chē)の寢臺(tái)車(chē)を利用して宿泊費(fèi)を節(jié)約」「宿泊施設(shè)を利用する必要があれば、大人數(shù)で宿泊するならば割安になる宿を仲間と共に利用」などの動(dòng)きがある。特に大學(xué)生はネットを活用して、さまざまな「貧乏旅行攻略法」を研究している。

不景気になれば、人々は金銭面で圧迫されるだけでなく、精神面でもストレスを感じる。將來(lái)に対しての不安が高まり、さらには怒りの感情を持つ場(chǎng)合もある。そのため、ストレスを発散させるために、さまざまな工夫により節(jié)約した観光を楽しもうという人が出て來(lái)る。

一方で、すでに定年退職しており、金銭も時(shí)間も十分にある高齢者もいる。日常的には大金を使うことが少ない。そのため、古い仲間と共に各地を旅行したり、美食を楽しんだり、風(fēng)景を鑑賞するなどで、素晴らしい思い出を作ろうと考える人が出て來(lái)る。自分が若い時(shí)期に楽しめなかったことを、今こそ楽しもうという発想だ。

現(xiàn)在の中國(guó)では「近場(chǎng)旅行」の人気が高まる傾向も強(qiáng)い。大金を投じて多くの日數(shù)も費(fèi)やして遠(yuǎn)方の有名観光地に足を運(yùn)ぶ「ハイエンド旅行」は大幅に減少しているが、居住地から近い場(chǎng)所に出かけ、美しい景色を眺めてバーベキューも楽しむなどの低予算で実現(xiàn)できる旅行は盛況だ。結(jié)局のところ、忙しく仕事をこなさねばならない日々の合間の週末に、リラックスできる場(chǎng)所に行きたいというのは、自然な感情だ。

また、今や中國(guó)における旅行の定番になった、旅先で畫(huà)像や動(dòng)畫(huà)を撮影してSNSに投稿することだが、遠(yuǎn)方の有名観光地でなくて近場(chǎng)で行っても、「自分が楽しんだ」ことの証（あかし）になる。すなわち、近場(chǎng)旅行でも多くの「願(yuàn)望」を満たすことができる。（翻訳?編集/如月隼人）