全國乗用車市場信息聯(lián)席會（乗聯(lián)會）によると、中國の9月の國內(nèi)乗用車販売臺數(shù)は前年同月比4．5％増の210萬9000臺、1～9月の累計販売臺數(shù)は前年同期比2．2％増の1557萬4000臺だった。うち新エネルギー車（EV、PHEV、燃料電池車）は、9月は前年同月比50．9％増の112萬3000臺、1～9月は前年同期比37．4％増の713萬2000臺だった。9月の新エネルギー車シェアは53．3％で、3カ月連続で50％を超えた。

9月の新エネルギー車を分析してみよう。乗聯(lián)會は國內(nèi)販売臺數(shù)の他に卸売販売データを発表しており、そこに詳細(xì)が出ている。9月の新エネルギー車の卸売臺數(shù)は小売臺數(shù)より約11萬臺多く、前年同月比48．1％増の123萬1000臺だった。うち純EVは同27．1％増の72萬3000臺、狹義のハイブリッド車（PHEV）は同102．2％増の39萬4000臺、レンジエクステンダーは同68．4％増の11萬4000臺だった。

買い替え政策と中古車市場拡大

中國メディアは、消費が盛んとなる黃金の9月「金九」は買い替え促進政策が功を奏し、最大2萬元（約40萬円）のユーザー補助金の追い風(fēng)を受けてBYDや「造車新勢力」など國內(nèi)勢が順調(diào)で、市場拡大の足音がはっきり聞こえると楽観的表現(xiàn)に終始している。中古車市場も活性化し、1～8月累計で5．5％増加した。同時期の新車販売は2％増であり、確かに中古車を買う消費者は増加した。しかし米國、ドイツ、日本などの先進國では、中古車市場は新車市場の2～3倍の規(guī)模を持つが、中國は0．68倍にすぎない。つまり中國の中古車市場は高いポテンシャルがある。実際、中國政府は2027年の中古車販売量を2023年比45％増と試算している。しかし、中古車市場の拡大は新車の足を引っ張りそうだ。価格競爭は激しくなる一方で、現(xiàn)狀では何をしても新車市場全體は微増にしかならない。

値引き率トップは純EV

中國メディア「IT之家」によると、1～9月の値下げ車種は195モデルに及んだ。これはすでに2023年通年の95モデルの2倍以上だ。

內(nèi)燃エンジン車は71モデル、平均1萬5000元（約30萬円）、9．3％の値下げ。

PHVは13モデル、平均1萬5000元（約30萬円）、8．4％の値下げ。

PHEVは29モデル、平均2萬4000元（約48萬円）、13．7％の値下げ。

レンジエクステンダーは13モデル、平均1萬4000元（約28萬円）、7．6％の値下げ。

純EVは69モデル、平均2萬3000元（約46萬円）、13．5％の値下げ。

純EVの競爭は激しさを極め、値下げ率はダントツだ。PHVとレンジエクステンダーの値下げ幅は比較的小さい。その中でも今、レンジエクステンダーの存在に注目が集まっている。

レンジエクステンダーの開発が加速

レンジエクステンダーはPHEVに分類されるが、內(nèi)燃エンジンを発電のみに使うタイプで、日本では日産のe-POWERシリーズがこれに當(dāng)たる。

中國メディア「中國経営報」によると、現(xiàn)代自動車（ヒョンデ）、フォードなどの海外メーカーもレンジエクステンダーに乗り出した。國有大手の上海汽車も2025年第1四半期（1～3月）に傘下の智己汽車から初のレンジエクステンダーを発売する。智己汽車の幹部は「今後3～5年ないし5～8年、レンジエクステンダーには明確な市場機會が広がっている。特にMPVとSUVは有力だ」と述べた。民間大手の吉利汽車傘下の極氪汽車もレンジエクステンダー進出の可能性に言及した。さらに、長安汽車、ファーウェイ（華為技術(shù)）、寧徳時代新能源科技（CATL）が共同設(shè)立したアバター?テクノロジー（阿維塔科技）や、小鵬汽車も発売を計畫しており、活況を呈してきた。

JPモルガンはPHEVとレンジエクステンダーが2030年に新エネルギー車市場の60％を占めると推定している。また、中國汽車協(xié)會によると、レンジエクステンダーの増加率は2021年が206％増、2022年が116％増、2023年が173％増で、市場シェアは2．9％へ上昇した。

フォルクスワーゲン中國の2020年當(dāng)時のCEOは、「車1臺の視點では、レンジエクステンダーには意味がある。しかし、國や世界レベルでは良い解決策ではない?；剂悉蛉激浃筏瓢k電する意味はまったくない」と述べていた。この見解について、業(yè)界內(nèi)で「レンジエクステンダー技術(shù)は後進的か」という議論が続いた。しかし昨今、販売の増加とともに下火となった。

後進的技術(shù)が先進的技術(shù)より注目浴びる？

純EVの成長が鈍化し、乗用車市場は飽和しつつある。自動車メーカーは早急に新たな突破口を開く必要がある。レンジエクステンダーの開発はそのソリューションの一つだ。PHEVに比べて単純な構(gòu)造で、製造コストは低く、自動車メーカーは採用しやすい。実際に國産ブランドのレンジエクステンダーは市場に受け入れられている。理想汽車、問界、零跑汽車などがこれに賭け、飛躍的な販売増を達成しつつある。

中國メディアは、最終的にレンジエクステンダーを強化するかどうかは市場の需要と自社の競爭力によるとした。充電設(shè)備の充実した大都市や高速道路沿線では必要なさそうだが、北西部や南西部の山間地、ゴビ砂漠など、ドライブ好きの多い僻地では良い選択肢だ。

中國メディアは、ポイントは20萬元（約400萬円）以下で費用対効果の大きい內(nèi)燃エンジン車の置き換えを加速できるかどうかだと分析している。新エネルギー車の増加を支えているのはPHEVとレンジエクステンダーで、純EVメーカーは大きなプレッシャーにさらされている。短期的には先進的なEV技術(shù)や自動運転技術(shù)より後進的なレンジエクステンダー技術(shù)がメーカーの命運を握っているようだ。純EVへの逆風(fēng)は強まるばかりだ。今後の展開から目が離せない。

■筆者プロフィール：高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株（現(xiàn)パンパシフィック）青島事務(wù)所長、上海事務(wù)所長を歴任、中國貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?，F(xiàn)在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ－プな情報を提供。著書：2001年「繊維王國上海」東京図書出版會、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會、2007年「中國の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。