臺(tái)灣メディアの聯(lián)合新聞網(wǎng)によると、臺(tái)灣新北市內(nèi)にある楽生療養(yǎng)院で生活していた黃金涼さんが亡くなった。95歳だった。楽生療養(yǎng)院の前身は、日本が臺(tái)灣を統(tǒng)治していた1930年に、ハンセン病患者を強(qiáng)制隔離するために開設(shè)された施設(shè)だった。

日本では、ハンセン病患者の強(qiáng)制隔離を定めた「らい予防法」が1996年まで施行されており、98年には、かつて強(qiáng)制隔離の対象になった人々が、人権侵害を理由に國(guó)を相手に補(bǔ)償を求める裁判を起こした。2001年には原告?zhèn)趣蝿僭Vが確定したが、日本政府は、日本統(tǒng)治時(shí)代に強(qiáng)制隔離の対象になった臺(tái)灣人と韓國(guó)人に対しては補(bǔ)償を拒絶した。黃さんは、臺(tái)灣人の隔離対象者も補(bǔ)償の対象にすることを求めて原告代表として日本で裁判を起こし、05年に勝訴した。

黃さんは臺(tái)南市の出身で、12歳の時(shí)にハンセン病を発癥して、施設(shè)に強(qiáng)制収容された。妹も発癥したので、同様の措置が取られた。黃さんはそれ以降、妹以外の家族と會(huì)わせてもらえなかった。戦後になると、中華民國(guó)政府が隔離施設(shè)を接収し、戦前と同様の措置を続けた。戦前と同様に、施設(shè)の敷地を囲う塀には有刺鉄線が張り巡らせていた。最終的に強(qiáng)制隔離が廃止されても社會(huì)にはハンセン病に対する強(qiáng)い差別意識(shí)が殘り、生活力を持たない収容者もいたので、施設(shè)はかつての強(qiáng)制隔離者の生活の場(chǎng)として使われた。

黃さんの裁判の背後には日本と臺(tái)灣の人権活動(dòng)家が奔走したことがあった。まず日本人弁護(hù)士が、戦前の強(qiáng)制隔離対象者の権益を獲得することを考えて、04年に訪臺(tái)した。臺(tái)灣側(cè)では臺(tái)灣の國(guó)立東華大學(xué)法學(xué)部の準(zhǔn)教授の陳シン隆さん（「シン」は「品」の「口」を全て「金」に替える）が中心となった。陳さんは京都大學(xué)で法學(xué)博士號(hào)を取得した経歴もあり、日本に何度も足を運(yùn)んで日本人弁護(hù)士らと打ち合わせをし、臺(tái)灣人の戦前の強(qiáng)制隔離対象者を原告として、日本政府を相手とする訴訟を起こすことを説得した。

張さんによると、臺(tái)灣では當(dāng)時(shí)もハンセン病患者に対する差別が殘っていたので、出廷して証言してもらうことは容易でなかったという。楽生療養(yǎng)院の王偉傑院長(zhǎng)は「ハンセン病の場(chǎng)合、身體のダメージよりも心のダメージの方が大きいです。將來(lái)には、人々に過(guò)去の歴史を知ってもらうために、いくつかの場(chǎng)所を設(shè)けるつもりです」と述べた。

楽生療養(yǎng)院では12月7日に、黃金涼さんの告別式が行われた。王院長(zhǎng)は「黃おばあちゃんには、安らかにお眠りいただきたい」と話した。

臺(tái)灣では現(xiàn)在、年間で10人程度のハンセン病患者が出ている。ハンセン病はらい菌による感染癥で、発病すると手足などの末梢神経が麻痺（まひ）して、皮膚にさまざまな病変が発生する。古くから「不治の病」と考えられ、患者の外観なども影響して極めて恐れられた?，F(xiàn)在では抗菌剤が有効に使われ、治療法が確立された。また、らい菌は感染力が弱く、感染して発病することはまれで、発癥しても初期に治療を開始すれば完治が可能な病気という。また、全世界の90％の人が、ハンセン病に対する免疫力を持っているとされる。

なお、日本統(tǒng)治時(shí)代にハンセン病を理由に強(qiáng)制隔離の対象となった韓國(guó)人を原告とする裁判も、黃さんらによる裁判と同時(shí)期に行われたが、裁判所は韓國(guó)人の訴えを退けた。黃さんらによる裁判とは別の地方裁判所が行った裁判で、両裁判所の法解釈が異なったことが原因とされる。ただし日本では06年1月から2月にかけての衆(zhòng)參両院の審理を経て、臺(tái)灣人と韓國(guó)人の該當(dāng)者全員に補(bǔ)償が行われることになった。（翻訳?編集/如月隼人）