広東省深セン市に本社を置く、通信機(jī)器製造や各種関連ソリューションの提供大手である華為技術(shù)（ファーウェイ）が、とりわけ力を入れている分野に人工知能（AI）の開(kāi)発と応用がある。最近になり、同社とAIに関連する話(huà)題がいくつか出てきた。

コンタクトセンター市場(chǎng)シェアで10年連続中國(guó)トップ、決め手はAI

まず、米國(guó)に本社を置く市場(chǎng)調(diào)査會(huì)社のインターナショナル?データ?コーポレーション（IDC）がこのほど発表した報(bào)告書(shū)の「中國(guó)のコンタクトセンター市場(chǎng)シェア、2023スマートエイジ」によると、ファーウェイは中國(guó)のコンタクトセンター市場(chǎng)において、シェアが第1位だった。ファーウェイのシェアトップは10年連続となる。

同報(bào)告書(shū)によると、中國(guó)におけるコンタクトセンターの2023年の市場(chǎng)規(guī)模は米ドル換算で6億1000ドル（約915億円）で、ファーウェイの売上高は5440萬(wàn)ドル（約81億6000萬(wàn)円）だった。ファーウェイの同分野による実績(jī)は、人工知能（AI）を利用したコンタクトセンターであるAICCによる。

ファーウェイのAICCは、生成型AIを活用した知識(shí)の自動(dòng)抽出能力により、膨大な文章から自動(dòng)的によくある質(zhì)問(wèn)（FAQ）を生成して顧客との問(wèn)答を提出することができる。事前に用意したFAQの利用率は80％に達(dá)し、さらに更新サイクルを従來(lái)の「週レベル」から「日レベル」に短縮した。

ファーウェイにはコンタクトセンター分野での30年以上の蓄積があり、顧客としては世界各地の通信事業(yè)者だけでなく、近年では金融、政務(wù)、交通、公共事業(yè)などの顧客も増えている。ファーウェイは現(xiàn)在、世界の1500社にAICCによるソリューションを提供しているという。

まずは自社でAI利用による大幅な業(yè)務(wù)改善を?qū)g現(xiàn)

一方で、ファーウェイのスマート製造システム部門(mén)の責(zé)任者である楊萍氏はこのほど、同社がデジタル化やスマート化のモデルチェンジにより製造會(huì)社の活力を引き出している狀況を説明した。現(xiàn)在では、鍵になっているのはAIの活用という。

ファーウェイはさまざまな分野の企業(yè)に、デジタル化やスマート化により業(yè)務(wù)を飛躍的に改善するソリューションを提供している。楊氏によると、その背景には早い時(shí)期から取り組んだ「自社の改造」があるという。

ファーウェイが「混亂をともなわずに業(yè)務(wù)を飛躍的に拡大させる」ことに本格的に取り組み始めたのは2014年だった。その出発點(diǎn)は、全要素の接続とリアルタイムフィードバックシステムの構(gòu)築であり、データの掌握とセキュリティーシステムの構(gòu)築を通じて、業(yè)務(wù)プロセスの最適化と効率の卓越した向上を?qū)g現(xiàn)したという。

具體的な成果としては、15年には4000億元（約8兆2500億円）程度だった売上高が、20年には8900億元（約18兆4000億円）と、2倍以上に伸びた。しかし15年時(shí)點(diǎn)で17萬(wàn)9000人だった従業(yè)員數(shù)は、20年時(shí)點(diǎn)でも19萬(wàn)7000人にとどまったという。楊氏は、これこそがデジタル化モデルチェンジの顕著な効果と述べた。

もはや「従來(lái)型のデジタル化」では不十分

楊氏はさらに、企業(yè)のモデルチェンジでは現(xiàn)在、かつてとは異なる狀況が発生していると指摘。すなわち、AIの波が世界を席巻するにつれて、単なるデジタル化モデルチェンジでは企業(yè)の急速な発展を支えるには不十分になっていることだという。ファーウェイはこの傾向を見(jiàn)通して、18年にAI戦略を本格開(kāi)始し、デジタル化にスマート化を組み込んで、発展を目指す青寫(xiě)真を作成したという。

ファーウェイの戦略とは、デジタル化の要素であるデータプラットフォームとデータガバナンスの実現(xiàn)に加えて、AIを活用することだった。AIの活用は、「AIモデルおよびAIを利用するためのインフラストラクチャーやツールセットの構(gòu)築」と、AIシステムが倫理的にも法律面でも適切に運(yùn)用されるようにする「AIガバナンス」や、AIシステムを悪用や攻撃から守る「AIセキュリティー」などを含む。

ありとあらゆるデータを収集?整理した上でAIを活用

具體的な成果としては、例えばソフトウェア開(kāi)発で、重要な技術(shù)文書(shū)および選定されたコード、研究開(kāi)発データを統(tǒng)合して扱えるようにして、さらにオブジェクトライブラリー、ルールライブラリー、プロセスライブラリー、モデルライブラリーの四つのデータベースを構(gòu)築した。このことで、AIを活用したコードの自動(dòng)生成と全自動(dòng)化が広く適用され、ソフトウェアの開(kāi)発期間が大幅に短縮されたという。

また、ファーウェイ自身の例としては、受注データ、物流データ、製造ライン設(shè)備データなど製造に必要な全データについてデータクレンジング（データを評(píng)価して、誤っていると判斷できるデータの修正や削除、重複データの除去などを行うこと）を行った上でAIをトレーニングした。そのことで、AIを利用してリアルタイムの受注に応じて素材や部品を必要な量だけ用意することができ、工場(chǎng)の敏しょう性や効率、生産性が大幅に向上した。また、生産ラインの各工程でAIによる品質(zhì)検査と分析を行うようになった。効率が全面向上したことで、以前は80人が必要だった高級(jí)スマートフォンの生産ラインが、今では14人で稼働でき、1臺(tái)のスマートフォンを約20秒で仕上げるという。

また物流分野では、サプライヤー、工場(chǎng)、倉(cāng)庫(kù)、流通、顧客サイトのデータを統(tǒng)合した。流通については、大規(guī)模AIモデルを利用して梱包や車(chē)載関連のシミュレーションを行い、さらに輸送ルートのリスク評(píng)価も行い、「スマート物流のエンドツーエンドの最適化」を?qū)g現(xiàn)した。全プロセスは可視化されており制御可能という。

ファーウェイはスマート製造分野で、産?學(xué)?研のパートナーおよび30以上の標(biāo)準(zhǔn)化団體や協(xié)會(huì)、スマート化関連に特に力を入れる高等教育機(jī)関72校と提攜して、中國(guó)全國(guó)の7500社以上の製造企業(yè)にサービスを提供している。その分野は自動(dòng)車(chē)、設(shè)備製造、電子、家電、製薬、重工業(yè)、太陽(yáng)光発電や風(fēng)力発電などの新エネルギーなど極めて広い。

楊氏はさらに、「特筆すべきは、ファーウェイが顧客と共同で製造業(yè)向けのAIの大規(guī)模モデルを構(gòu)築し、中國(guó)の製造業(yè)のスマート化アップグレードを支援していることです」と強(qiáng)調(diào)した。楊氏はさらに、ファーウェイが顧客企業(yè)と構(gòu)築するAIモデルには「（高度な演算を?qū)g現(xiàn)するためのハードウェア部分である）演算基盤(pán)層、（AIが処理する內(nèi)容に基づいて設(shè)計(jì)される）AIアーキテクチャ層、（機(jī)械學(xué)習(xí)や深層學(xué)習(xí)の実行に必要なソフトウェアである）AIフレームワーク層、（AIの學(xué)習(xí)を支援する環(huán)境を提供する）AIプラットフォーム層、（データに基づきAIが學(xué)習(xí)し、予測(cè)や分類(lèi)を行う）AIモデル層、そして（最終的にユーザーにサービスを提供する）AIアプリケーション層が含まれる、すなわちAIを利用するための全ての部分が含まれていると述べ、そのことで製造業(yè)企業(yè)のスマート化をしっかりと支えていると説明した。（翻訳?編集/如月隼人）