中國(guó)が広範(fàn)な領(lǐng)有権を主張する南シナ海で、フィリピンの排他的経済水域（EEZ）に中國(guó)海警局が「モンスター船」の異名を持つ大型船「海警5901」を派遣し、威圧を強(qiáng)めている、と比メディアなどが報(bào)じた。トランプ次期米大統(tǒng)領(lǐng)の就任を前に、米國(guó)との軍事協(xié)力を深めてきた比側(cè)に揺さぶりをかける狙いもありそうだ。 　

比メディアなどによると、海警5901は全長(zhǎng)165メートル、排水量1萬(wàn)2000トンで、沿岸警備當(dāng)局の船舶としては世界最大級(jí)。警戒、監(jiān)視に當(dāng)たった比側(cè)の巡視船「カブラ」の4倍近い大きさだ。他の海警船と連攜し、中國(guó)軍ヘリコプターをホバリングさせるなど挑発的動(dòng)きを継続。11日時(shí)點(diǎn)で首都マニラに近いサンバレス州の約180キロ沖合を航行しており、比當(dāng)局が監(jiān)視を続けている。

海警5901は1日に比EEZ內(nèi)のスカボロー礁（中國(guó)名?黃巖島）周辺を航行。4日にはサンバレス州カポネス島の約100キロ沖合で確認(rèn)された。ロイター通信によると、フィリピン國(guó)家安全保障會(huì)議のマラヤ報(bào)道官は14日の記者會(huì)見で「中國(guó)が海警5901を展開し、攻撃性を増していることを憂慮している」と表明。中國(guó)外交部の郭嘉昆報(bào)道官は海警局の「パトロールと法執(zhí)行活動(dòng)」は「合理的で合法的であり、非難されるものではない」と主張した。

比軍は2024年12月下旬、米國(guó)から中距離ミサイルシステム「タイフォン」を調(diào)達(dá)する計(jì)畫を明らかにした。米軍は同年4月、比軍との合同演習(xí)に際し比北部に「タイフォン」を展開し、演習(xí)終了後も撤去していない。中國(guó)本土が射程に入る巡航ミサイル「トマホーク」を搭載可能で、中國(guó)は恒久配備に猛反対している。

中國(guó)海警局は軍の最高指導(dǎo)機(jī)関である中央軍事委員會(huì)の指揮下にある準(zhǔn)軍事組織。海警5901は昨年も係爭(zhēng)海域に派遣されており、中國(guó)の「海洋覇権」を誇示する象徴的存在となっている。中國(guó)としては、直接の軍事衝突に至らない「グレーゾーン事態(tài)」を繰り返し、支配を既成事実化していく思惑とみられる。

比國(guó)內(nèi)では海警5901派遣など中國(guó)が覇権主義的な動(dòng)きを強(qiáng)める南シナ海に海軍の艦船派遣を検討する必要があるとの意見も少なくない。

これに対し、マルコス大統(tǒng)領(lǐng)は「緊張狀態(tài)を高めるようなことはすべきではない」と否定的だ。マルコス氏は「われわれは戦爭(zhēng)をしているわけではない。必要なのはわれわれの権利を守ることだ」と強(qiáng)調(diào)。南シナ海をめぐり「フィリピンは常に緊張狀態(tài)を緩和しようと努力している」と述べた。（編集/日向）