舊暦の大みそかである1月28日の夜から翌29日未明まで放送された、中國(guó)の舊暦年越し番組の春節(jié)聯(lián)歓晩會(huì)（春晩）で評(píng)判になった演目の一つに人型ロボットのダンスがあった。ロボット十?dāng)?shù)臺(tái)が、中國(guó)の東北地方を中心に春節(jié)などに披露される秧歌（ヤンガー）と呼ばれる民間の集団舞踴を一糸亂れず演じてみせたのだ。しかもロボットは、人のダンサーとのアンサンブルもこなした。中國(guó)では人型ロボットの開(kāi)発が急ピッチで進(jìn)められ、新製品の発表や発売も相次いでいる。中國(guó)メディアの上観新聞は15日付で、中國(guó)における人型ロボットの現(xiàn)狀と今後の予測(cè)を紹介する記事を発表した。

春晩でダンスを披露したのは、ロボット製造會(huì)社の宇樹(shù)科技が開(kāi)発した汎用人型ロボットのUnitree H1で、同社は最近になり購(gòu)入予約の受け付けを始めた。価格は65萬(wàn)元（約1370萬(wàn)円）で、3月4日までの発送という。同社は同時(shí)に、もう一つの汎用人型ロボットのUnitree G1の予約受け付けも開(kāi)始した。

宇樹(shù)科技は15日に、UnitreeG1がストリートダンスを披露する動(dòng)畫を公開(kāi)したが、その身のこなしは非常に柔軟に見(jiàn)える。ネットユーザーは、「春晩の秧歌よりも良く踴っている」「リラックス感を持って踴っている」などと評(píng)した。

UnitreeH1の最初のモデルは2023年8月に発表された。UnitreeG1は24年5月だった。UnitreeH1は身長(zhǎng)1．8メートル、體重47キロで、中國(guó)初の走行可能な等身大汎用型人型ロボットで、安定した歩行と柔軟な動(dòng)作能力を持ち、複雑な地形や環(huán)境下で自立して移動(dòng)できる。移動(dòng)速度は毎秒3．3メートルに達(dá)し、発表當(dāng)時(shí)の世界記録だった。移動(dòng)速度は秒速5メートルにまで伸ばせる見(jiàn)込みだ。UnitreeH1はダンスだけでなく空中での回転など難度の高い動(dòng)作も行うことができる。

UnitreeG1はUnitreeH1とは対照的に身長(zhǎng)1．32メートルのコンパクトな人型ロボットだ。UnitreeH1よりも全身の自由度が高く、寢そべった狀態(tài)で腰を曲げてその腰を伸ばす反動(dòng)で跳ね上がって直立するなどの、軽業(yè)も可能だ。また、手は精密に物をつかめるので、ハンマーなどの道具を使うことができる。

上海交通大學(xué)ロボット研究所の博士課程指導(dǎo)教員である閆維新氏はこれまで、多くの人型ロボットの開(kāi)発に関わって來(lái)た。閆氏は人型ロボットの使い道について、まず教育分野と人との相互方向的な娯楽分野があるとの考えを示した。教育分野では、大學(xué)や研究機(jī)関の教員と學(xué)生のチームがロボットの教育や研究を行い、企業(yè)が開(kāi)放するソフトウェア開(kāi)発インターフェースを利用してロボットの能力を増強(qiáng)し、さらに多くの技能を持たせることができるので、技術(shù)者育成の用途に適している。

相互方向的な娯楽分野では、ダンスを踴らせるだけでない。この用途の延長(zhǎng)線上には、ホテルのフロント係やサービススタッフなどとしての利用がある。人工知能（AI）を使ってロボットを訓(xùn)練し、「フロント係」や「サービススタッフ」として顧客との意思疎通の水準(zhǔn)を高めることができる。

閆氏によると、製造業(yè)企業(yè)はロボットの生産速度や信頼性、コストに対して非常に高い要求をしており、人型ロボットが工場(chǎng)の「正社員」になることには今も一定の難しさがある。家庭サービスについては、操作精度、安全性、コストなどの問(wèn)題などがあり、人型ロボットの商用化にはさらに長(zhǎng)い道のりがある。ただし、人型ロボットでのAIの利用は人々の想像を超えて急速に発展しているという。

閆氏は人型ロボットで次に実現(xiàn)される用途として、人にとっては危険な環(huán)境下での作業(yè)を挙げた。

中國(guó)の人型ロボットの開(kāi)発は、米國(guó)のトップ企業(yè)と比べても、さして遜色がない狀態(tài)だ。閆氏は中國(guó)が「善戦」している理由について、三つを挙げた。まず、計(jì)算能力において、中國(guó)ではチップの開(kāi)発が急速に進(jìn)んでおり、高性能GPUの國(guó)産化が実現(xiàn)される見(jiàn)込みがある。次に、アルゴリズム面では、人工知能（AI）ディープシークの臺(tái)頭によって、AIと一定の技術(shù)手段を組み合わせれば、よい結(jié)果を得られることが分かってきた。さらに実際の応用について、中國(guó)には豊富な場(chǎng)面と多くのユーザーが存在するためにより多くのデータを収集できる。閆氏によれば、中國(guó)での人型ロボットの開(kāi)発には、よい條件がそろっている。（翻訳?編集/如月隼人）