米トランプ政権による「相互関稅」の発動や一部の観光客が米國に入國し拘束されるといった事件の影響を受け、世界各國の観光客が米國旅行に消極的になっている、と中國メディアが報じた。記事は英國のシンクタンクのデータを引用。米國の観光業(yè)界は2025年に約640億ドル（現(xiàn)レートで約9兆1500億円）の損失を被ると予想した。

中國網(wǎng)が紹介した米商務(wù)省國際貿(mào)易局（ITA）の最新データによると、3月の訪米外國人客數(shù)は前年同月比で11．6％減少した。その國際観光客の80％を占める西歐、アジア、南米で減少。3月の西歐からの観光客數(shù)は同17．2％減で、アジアは同3．4％減、南米は同10．4％減だった。

ITAによると、観光業(yè)は米國にとって最重要のサービス貿(mào)易輸出項目だ。米國の23年のサービス輸出額に占める観光貿(mào)易の割合は22％で、すべての輸出額の7％を占めた。観光業(yè)は米國に950萬人分の雇用枠を提供した。

また、米國人の観光消費の意欲にも変動が生じている。米ブルームバーグ通信は12日、「不況と地政學的な緊張情勢の影響を受け、今年は長距離の旅行（特に海外旅行）をせず自宅付近で旅行するとした米國人消費者が3分の1以上に上った」と報道した。

米國の観光業(yè)界の関係者は「米國人は現(xiàn)在、海外で歓迎されないだろう」との聲が多くの顧客から聞かれると指摘。市場の混亂により投資に損失が生じ、年金が目減りすることを懸念し、海外旅行を控えている顧客も多いという。

旅行サイト「Kayak」の共同創(chuàng)業(yè)者の一人であるポール?イングリッシュ氏は英紙フィナンシャル?タイムスに「（トランプ政権の政策は）米國経済への新たな恐るべき一撃だ。米國の名聲の損失の修復には數(shù)世代かかるだろう」と述べた。

米誌フォーブスも「トランプ政権が多くの國に仕掛けた関稅戦爭と強硬発言により、外國人観光客が米國から遠ざかっている実態(tài)が旅行関連のさまざまなデータで示されている」と伝えた。

同誌が特に注目しているのは、隣國のカナダとメキシコからの旅行者の動向だ。24年には両國から3600萬人が米國を訪れた。この數(shù)は米國へのインバウンド客のほぼ半分に當たる。

しかし、航空データプロバイダーOAGの3月26日の発表によると、カナダから米國に向かう航空便の4?9月の予約は前年同期比で70％超減少している。米旅行産業(yè)協(xié)會（USTA）は2月初旬、カナダからの旅行者數(shù)が10％減少するだけで米國の旅行業(yè)界の収入が21億ドル減少し、14萬人の雇用が脅かされると懸念を示した。

反米感情は26年の米國?カナダ?メキシコ共催のFIFAワールドカップや28年のロサンゼルス五輪といった米國での主要なスポーツイベントにも影響を及ぼす恐れもある。英コンサル會社オックスフォード?エコノミクス傘下で、観光分野の統(tǒng)計を扱うツーリズム?エコノミクスのアダム?サックス社長は「過去25年間、歐州などの不評を買う政策を米國が打ち出すたびに、米國への旅行に影響が及ぶのを見てきた」と言及した。（編集/日向）