中國?河北省で夫から暴行?脅迫を受けていた妻が逃げようとした際に夫を死なせた事件について、裁判所は妻に故意殺人罪で懲役11年の判決を下した。

中國メディアの現(xiàn)代快報(bào)によると、事件があったのは2024年5月20日。曹（ツァオ）被告は仕事を終えた後、女性の友人である王（ワン）さんと食事に行った。その時(shí)、夫の劉（リウ）さんから電話があり、「女性の友人と食事をしている」と説明したものの、劉さんはほかの男と一緒にいるのではないかと疑った。

自宅マンションには曹被告が先に帰った。日付が変わった翌21日午前1時(shí)過ぎごろ、酒に酔った劉さんが帰宅し、刃物を持ち出して曹被告を問い詰めた。そして、一緒に食事をしていた王さんに直接會って真相を確かめると言い出し、午前2時(shí)過ぎに曹被告を強(qiáng)引に連れ出した?，F(xiàn)場近くの監(jiān)視カメラには、2人が言い合う様子や、刃物を手にした劉さんが曹被告を押したり蹴ったりする様子が映っていたという。

2人は車に乗り、劉さんの運(yùn)転で王さんの家の近くに向かった。途中、劉さんは何度も信號無視をした。王さん宅の近くに到著すると、劉さんは曹被告を車の後方に引きずっていき、著衣を破くなどした。その後、劉さんが車外で攜帯電話を操作している隙を見て、曹被告が車に乗り込み逃走しようとすると、それに気づいた劉さんがボンネットに飛び乗った。曹被告はそのまま車を発進(jìn)させ加速。振り落とそうとハンドルを左右に切った。劉さんはボンネットから滑り落ちたが助手席側(cè)のドア付近にしがみついていた。その後、車は植え込みに突っ込み停車。この事故で劉さんは死亡、曹被告も負(fù)傷した。

事件後、河北省石家荘市人民検察院は曹被告を故意殺人罪で起訴。人民法院（裁判所）は今年3月24日に開かれた一審で、「被告は劉さんがボンネットにしがみついていることを知りながら、なおも高速で運(yùn)転を続けており、劉さんが死亡するという結(jié)果を容認(rèn)していたと認(rèn)められ、故意殺人罪の構(gòu)成要件を満たしている」とした。

また、弁護(hù)側(cè)が主張した「正當(dāng)防衛(wèi)」については、「違法な侵害が継続していることが成立の要件。被告が車で立ち去ろうとした時(shí)點(diǎn)で劉さんによる暴行はすでに終了しており、劉さんがさらに加害行為を行うかは不明で、現(xiàn)実的な危険性はなかった」と指摘?！甘鹿首泽wは偶発的なものだが、総合的に判斷して劉さんの死亡は偶然ではない」とした。一方で、自らボンネットに乗った劉さんにも一定の過失があること、曹被告が正直に供述していることは情狀酌量の対象となるとし、曹被告に懲役11年の判決を言い渡した。

曹被告の父親は「彼（劉さん）は家庭內(nèi)暴力（DV）を行っていた。私の娘こそが被害者だ」とし、「たとえ娘に問題があったとしても、執(zhí)拗な暴力や刃物による脅迫は明らかに間違った行為だ」と主張?！笖y帯電話は彼の手にあり、（乗っていた）テスラ車は車內(nèi)からロックをかけても（外から）攜帯電話で解錠できる。娘はただ逃げたかっただけ。あの狀況でどうやって理性的でいられるというのか」と訴えた。

弁護(hù)士も「被告は劉さんから複數(shù)回暴行を受け、『殺す』と脅されていた。暴行を受けて出血しており、ただ逃げたかっただけで相手を傷つけようとは思っていなかった。被告には殺意がなく、殺人に當(dāng)たるような客観的行為も存在しない。劉さんは事件當(dāng)時(shí)、酒気帯び狀態(tài)で車を高速で運(yùn)転し、信號無視を繰り返し、刃物で被告を脅迫した上、暴行を加えた。被告の行為は正當(dāng)防衛(wèi)あるいは緊急避難に該當(dāng)するもので、刑事責(zé)任を問われるべきではない」としている。

曹被告?zhèn)趣峡卦Vしており、現(xiàn)在、河北省高級人民法院（高等裁判所）で二審の審理が行われている。

なお、ネット上では「裁判官の目は節(jié)穴か」「刃物を向けられてるのに正當(dāng)防衛(wèi)にならないってどういうことだよ」「直接ひき殺したならまだしも、勝手にボンネットに乗ってきたんだろう。せいぜい過失殺人（致死）罪だ」「中國に正當(dāng)防衛(wèi)はない。だから犯罪者が好き勝手できるんだ」「裁判所が市民から認(rèn)められていない理由がよく分かる」など、判決に批判的な聲が殺到している。（翻訳?編集/北田）