1ドル＝114円臺(tái)と1年前に比べ2割も安くなった?jī)谣飑`トが、日本経済にマイナスの影響を及ぼしている。特に輸出より內(nèi)需で稼いでいる中小企業(yè)にとっては猛烈な逆風(fēng)だ。円安で原材料、電力代が上昇し、コストがかさんでいる。下請(qǐng)け中小?零細(xì)企業(yè)が価格に転嫁できるならいいが、値上げを認(rèn)められるケースは少ない。大企業(yè)も厳しいグローバル競(jìng)爭(zhēng)を戦わなければならないので、簡(jiǎn)単に値上げ要求を受け入れられない事情があるという。

【その他の寫(xiě)真】

大企業(yè)製造業(yè)は生産の海外移転が進(jìn)み、円安になっても輸出の増大にはつながりにくい。輸出が増えなければ下請(qǐng)け企業(yè)の受注も伸びず、原材料など輸入コスト増だけがのしかかる。製品納入先の大企業(yè)が円安で業(yè)績(jī)を回復(fù)させたとしても、下請(qǐng)け中小企業(yè)に恩恵は及ばない。

そういう狀況下、技術(shù)力のある中小企業(yè)を中國(guó)がターゲットとしている。かつては韓國(guó)企業(yè)が日本の技術(shù)者を狙って、引き抜いたり、技術(shù)指導(dǎo)を要請(qǐng)したことがあったが、今では中國(guó)企業(yè)が取って代わっている。金型や板金など熟練を要する技術(shù)を短期間に吸収しようとしている。

　中小企業(yè)の実情に詳しいコンサルタントによると、中小企業(yè)の熟練技術(shù)者にとっても、アベノミクスの恩恵が得られず、會(huì)社の業(yè)績(jī)や報(bào)酬が悪ければ、中國(guó)に渡った方がいいのではと考えても不思議ではない。円安が進(jìn)めば円換算の報(bào)酬が増えて、日本に多く送金できるので、海外で稼ごうとする技術(shù)者も増えている。リストラや定年によって退職した技術(shù)者が、中國(guó)、韓國(guó)をはじめとする海外企業(yè)に請(qǐng)われて渡航したケースはこれまでにあったが、ついに現(xiàn)役世代も例外ではなくなりつつある。

それどころか、技術(shù)力を持った中小?零細(xì)企業(yè)が丸ごと中國(guó)や韓國(guó)の企業(yè)に買(mǎi)収されるケースも出ているという?，F(xiàn)在、1人民元＝17．5円、2年前の12．5円から3割も上昇している。逆に日本円の価値が3割も下がることは、他國(guó)から買(mǎi)われるリスクが高まることを意味する。日本経済を支えてきた中小企業(yè)が、円安の進(jìn)行とともにさらに疲弊し、ボディブローとなって日本経済を蝕む懸念が大きい。（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見(jiàn)。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。