八牧浩行 2015年1月2日(金) 7時16分
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中國政府はシルクロード沿いに新たな鉄道の建設(shè)を計畫。既にシルクロード沿いの各國と新たな鉄道建設(shè)に関する交渉を進(jìn)めており、高速列車を採用する可能性があるという。寫真は浙江省?義烏駅。
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中國浙江省の義烏市とスペインのマドリード市を結(jié)ぶ、総延長1萬3000キロにも及ぶ貨物鉄道が開通。2014年11月18日に義烏駅を出発した初の列車が12月9日にマドリードに到著した。ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、ポーランド、ドイツ、フランスなど8カ國を経由し、21日かけてマドリード最大の駅であるアトーチャ駅に到著した。
【その他の寫真】
マドリードに到著した貨物列車はコンテナ40個を積載。中國からの往路は子ども向けのおもちゃや小型の機械工具などを運び、復(fù)路はワインやオリーブ油、ハムなど春節(jié)(舊正月)に需要が見込める商品を運んだ。 マドリードで行われたセレモニーに出席した李強?浙江省長は「経済交流の発展を約束する新たなシルクロードである」と強調(diào)した。
このほか中國はドイツへ至る鉄道貨物路線を確保している。中國內(nèi)陸部の重慶と獨西部の工業(yè)都市?デュイスブルクを結(jié)ぶ路線と、北京と獨北西部の港灣都市?ハンブルクを結(jié)ぶ2路線である。毎週最多3本の國際列車が中國、カザフスタン、ロシア、ベラルーシの長い道のりを越え、ポーランドを経てドイツに到著する。この貨物列車の全行程には16日間を要し、長さ650メートルの列車には最高で51個のコンテナを積むことが可能だ。
◆シルクロード沿いに鉄道建設(shè)を計畫
現(xiàn)在、世界貿(mào)易の8割は海上輸送が使われているが、鉄道輸送は海上輸送や空輸に比べ速度や環(huán)境面で優(yōu)位性が高い。ところが歐州と中國の鉄道のレール幅がロシアのものと異なるため、中國から歐州へ貨物を運ぶ際に何度も積み降ろしを行わなければならず、多くの日數(shù)を要する。また、各路線に精通した運転手による走行を確保するために、運転手は各國境で交代となる。
このため中國政府はシルクロード沿いに新たな鉄道の建設(shè)を計畫。既にシルクロード沿いの各國と新たな鉄道建設(shè)に関する交渉を進(jìn)めており、高速列車を採用する可能性があるという。この鉄道建設(shè)プロジェクトは中國政府が擔(dān)當(dāng)、鉄道建設(shè)と引き換えに資源を獲得する方法を採用し、中國では新たな鉄道會社を新設(shè)して経営管理を行う可能性もある。
こうした中、中國の2大鉄道車両メーカー、中國南車集団と中國北車集団が2014年12月末、15年中に合併すると発表した。合併新會社は地下鉄車両で世界シェアの約50%を占める最大手となる。事業(yè)規(guī)模も13年度の売上高合計で1951億元(約3兆7700億円)と、ボンバルディア、シーメンス、仏アルストムの「歐米鉄道ビッグ3」の鉄道部門の合計を上回る超巨大メーカーが生まれることになる?!竾鴥?nèi)同業(yè)同士の競爭による資源の浪費を避け、國際化を加速する」(南車幹部)のが狙いだ。これまで2社は海外市場でも競合し、中國勢同士による受注価格の「安値競爭」で採算が悪化する悪循環(huán)が続いていた。今後は「オールチャイナ」として東南アジアや南米などで激しくなる日米歐大手との受注競爭に挑む。國を挙げて海外進(jìn)出を加速する狙いで、新興國開拓に力を入れる日本勢にとっても脅威となりそうだ。
中國の習(xí)近平國家主席は11月16日、オーストラリアのブリスベンでブラジルのルセフ大統(tǒng)領(lǐng)と會談した。G20首脳會議に合わせ開催されたBRICS首脳會議期間中にルセフ大統(tǒng)領(lǐng)と7月に続いて會談したのだ。両首脳は太平洋と大西洋を結(jié)ぶ鉄道(ブラジルとペルーを結(jié)ぶ國際鉄道、通稱「両洋鉄道」)の建設(shè)推進(jìn)を再確認(rèn)した。
中國は現(xiàn)在、東南アジアや中央アジア、中?東歐諸國、アフリカ、中南米など世界各地で高速鉄道建設(shè)に関わっている。インドでの受注にも積極的に取り組んでいる。習(xí)近平主席や李克強首相が外遊に出る際には、毎回のように高速鉄道の売り込みを図っており、「高速鉄道セールスマン」と揶揄(やゆ)されるほどだ。
このように中國が世界各地で力を入れて建設(shè)を進(jìn)める高速鉄道だが、必ずしも全てが順風(fēng)満帆ではない。野心的で活発な海外進(jìn)出の陰でリスクも顕在化しつつある。ミャンマーでは住民の反対に遭い計畫が頓挫し、メキシコでは入札プロセスに不正があったとして白紙撤回され、大統(tǒng)領(lǐng)が糾弾される羽目になっている。トルコでは開業(yè)當(dāng)日に故障が発生して運転が一時停止した。
◆北極圏の資源開発に食指
一方、中國政府は、北極にも海上版シルクロードを延伸しようとしている。東アジアから中東、歐州、ロシアにまたがる経済圏やシーレーン構(gòu)想を打ち出した。シーレーンでは北極海を重要視し、沿岸5カ國のひとつ、デンマークにパンダ2頭の貸與を決めるなど、急接近を試みる。
地球溫暖化の影響で、北極海を中心とした「海上輸送ルートの地球規(guī)模での見直しや資源採掘の動きが活発化しそうだ」と指摘した。同誌によれば、北極海周辺の石油埋蔵量は世界の8分の1、天然ガスは4分の1に達(dá)する。北極圏に広大な領(lǐng)土を保有するロシアが動き出し、これに神経をとがらせる北歐諸國や米國。中國はそこに割り込もうという戦略だが、関係各國の警戒も強い。
米紙ウォール?ストリート?ジャーナル(14年11月10日付)は、特集で「中國は中央アジア、中東へのインフラ投資を進(jìn)め、それらの地域を結(jié)ぶことでできる『新シルクロード経済圏』づくりを推進(jìn)している」と紹介?!钢袊瑜楼ⅴ弗⒌貒恧悉工伽皮蔚坤本─送à袱皮い搿工葦啶袱皮い?。これら一連の動きは、中國が新興國と協(xié)調(diào)して、15年中の業(yè)務(wù)開始を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)とも強くリンクしており、無視できない。<次回本コラム(4)でさらに分析する>(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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