<コラム>安倍內閣がヒトラー「わが闘爭」の教材使用を容認、中國メディアが「日本のネット民もあきれている」と報じる背景

如月隼人    2017年4月18日(火) 15時30分

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中國の大手ポータル/ニュースサイトの新浪網(wǎng)は18日、「ヒトラー『わが闘爭』が日本で教材に、ネット民:政府は発狂した」と題する記事を掲載した。資料寫真。

この「記事と現(xiàn)実の落差」の理由として考えられるのが、中國當局の意向が何らかの形で反映されていることだ。中國ではネットにおいて他社が配信したニュースを転載することが事実上、黙認されている。新浪網(wǎng)の記事は國営中國中央電視臺(中國中央テレビ、CCTV)がサイトで配信した動畫付き記事の転載だ。つまり當局の意向を受けやすいメディア発の情報ということになる。

仮にそうだとすれば、中國の意図は何なのか。中國は現(xiàn)在、領土問題などで日本、東南アジア、インドなど多くの國と対立している。米國とも長期戦略上、対立のシーンが増えていくだろう。しかし中國は1年ほど前から、これらの國を強く批判することはできるだけ抑制しているように見える。

筆者は、現(xiàn)在の中國が「主敵」と想定しているのは臺灣の民進黨政権と考える。獨立志向のある民進黨政権を容認していたのでは、國內向けにも共産黨が威信を失ってしまうからだ。中國人には、その場その場での「主敵」を絞り込み、それ以外の相手とはたとえ潛在的な敵であっても當面は対立をエスカレートさせないようにするとの発想が強い。

そして、中國にとっては尖閣諸島問題よりも南シナ海問題よりも、臺灣問題の方がはるかに重要だ。実効支配の過去がない無人島の問題と「そこは中國の一部だ」と主張し続けている島が、2000萬人以上の住民や産業(yè)もろとも中國から離れて行ってしまうことは、中國共産黨にとっては絶対に容認できない。

一方、日本で安倍政権が「わが闘爭」を教材として認めたことも、中國としては絶対に容認できないはずだ。しかし日本を強く批判し両國の敵対感情が高まれば、日本は現(xiàn)在以上に臺灣に接近する可能性がある。中國としては避けたい事態(tài)だ。

さらに、日本における「わが闘爭」の教材容認は中國國內の反日世論をあおり立てる可能性がある。日本政府の動きに起因する自國の反日世論を軽減する際に中國當局が用いる「常套手段」が、「多くの日本人は反対している」との論法だ。

新浪網(wǎng)が掲載した記事は、「當面は日本との対立をエスカレートさせない」、「國內の反日感情も可能なかぎりエスカレートさせない」との中國當局の思惑に合致していると理解できる。

■筆者プロフィール:如月隼人

日本では數(shù)學とその他の科學分野を勉強したが、何を考えたか北京に留學して民族音楽理論を専攻。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ?!钢袊慰諝荨工蛘i者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。

■筆者プロフィール:如月隼人

1958年生まれ、東京出身。東京大學教養(yǎng)學部基礎科學科卒。日本では數(shù)學とその他の科學分野を勉強し、その後は北京に留學して民族音楽理論を専攻。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する?!钢袊慰諝荨工蛘i者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。中國については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結局は得」が信條。硬軟取り混ぜて幅広く情報を発信。

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