ところで、王部長が「中華人民共和國憲法」と「香港基本法」を論じたことで、別のことを思い出してしまった。実は中華人民共和國憲法にも「中華人民共和國公民（國民）は言論、出版、集會(huì)、結(jié)社、行進(jìn)および示威の自由を有する」（第35條）と明記されているのだ。

そのため、2013年ごろには「憲政」を要求する聲が出始めた。當(dāng)局に対して憲法を遵守して言論などの自由を認(rèn)めよとする主張で、現(xiàn)実には自由を大きく制限している共産黨政権の「矛盾」を突いた民主化要求だった。

中國共産黨は神経質(zhì)に反応した。さまざまな手法で「言論の自由を求める言論」を排斥。共産黨機(jī)関紙の人民日?qǐng)?bào)は14年10月30日付で、「なぜ、黨の厳格な統(tǒng)制を勵(lì)行するのか」と題する論説を掲載?！甘澜绀韦嗓螄狻ⅳ肖椁肖椁摔胜盲皮い皮戏ㄖ韦猬F(xiàn)代化もできない」、「共産黨の指導(dǎo)がどっしりとした泰山のごとく、しっかりと安定していることが必須」などと主張し、憲政要求は「下心がある者の人を惑わす銃だ」と決めつけた。ただし憲政要求論者の「共産黨が法治主義と主張するなら憲法を守らねばならない」との主張に対する直接の反論はできていない。

さて、香港基本法に話を戻そう。市場経済を?qū)毪筏郡趣悉いā⒅袊仙鐣?huì)主義國家だ。だから、香港で資本主義體制を維持すると明記するのは當(dāng)然だろう。しかし、香港基本法に住民が享受するさまざまな自由を細(xì)々と盛り込んだのは、考えてみれば不自然だ。

香港基本法は1980年代後半に起草作業(yè)が始まった（全人代における法案可決は90年）。大陸側(cè)の36人、香港側(cè)の23人が作業(yè)に參加した。香港側(cè)はそれまで享受してきた自由を失いたくはない。中國政府は西側(cè)諸國では通常認(rèn)められる各種の自由を厳しく制限している。だからこそ、憲法がすでに保証している自由についての定めを、基本法でも改めて明記して「擔(dān)保した」と理解できる。

しかし、「香港基本法」でも定められた香港における言論などの自由がどこまで確保できるかは、かなり微妙な情勢になってきた。2015年から16年にかけては、中國政府に批判的な內(nèi)容や要人についての「暴露本」などを扱う銅鑼灣書店の店長など5人が數(shù)カ月にわたり失蹤する事件が起こっている。いずれも中國當(dāng)局に拘束され、顧客リストを渡すようなどと要求されていたとされる。

香港住民は広範(fàn)囲にわたる自由についての権利を憲法と香港基本法で二重に保証されているが、返還後20年を前にして、すでに「揺れ動(dòng)く狀態(tài)」になっていると言わざるをえない。

■筆者プロフィール：如月隼人

日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強(qiáng)したが、何を考えたか北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ?！钢袊慰諝荨工蛘i者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。

■筆者プロフィール：如月隼人

1958年生まれ、東京出身。東京大學(xué)教養(yǎng)學(xué)部基礎(chǔ)科學(xué)科卒。日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強(qiáng)し、その後は北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する?！钢袊慰諝荨工蛘i者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。中國については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結(jié)局は得」が信條。硬軟取り混ぜて幅広く情報(bào)を発信。

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