【その他の寫(xiě)真】

この「車(chē)中會(huì)談」はその後の事態(tài)の展開(kāi)に決定的な意義があったと私は考えている。もちろん、姫部長(zhǎng)は北京市內(nèi)に戻り次第、周総理のもとに駆けつけた。

【最後の交渉】

その日の夜10時(shí)、両國(guó)の外務(wù)大臣は國(guó)賓館18號(hào)樓の1階の會(huì)議室で、最後の交渉をおこない?！腹餐暶鳌工蛞粭lずつ推敲して決定していった。

予定では、次の日の午前10時(shí)に人民大會(huì)堂で正式に署名がおこなわれることになっていた。日本語(yǔ)版もすぐに印刷できるように、北京外文印刷廠の責(zé)任者が外で待機(jī)していた。

「共同聲明」は全部で9條からなり、具體的な內(nèi)容も全部すでに合意に達(dá)していた。ただ、序文のなかの日本が中國(guó)を侵略した歴史についての表現(xiàn)をどうするか、「面倒をおかけした」という部分をどんな表現(xiàn)で言い換えるかが、まだ決まっていなかった。

時(shí)間は1秒、また1秒と過(guò)ぎていく。2人の外務(wù)大臣はあいかわらず、相手が自分を見(jiàn)れば自分も相手を見(jiàn)るという具合に、先方の出方をうかがっていた。時(shí)間はすでに深夜1時(shí)を過(guò)ぎてしまった。眠くならないようにと服務(wù)員が何度もコーヒーを運(yùn)んできた。

そのとき、大平外相が背広のポケットから紙片を出すのが見(jiàn)えた。彼は「姫部長(zhǎng)、これが日本側(cè)ができる最大限の譲歩です」と言った。

大平首相は紙片に書(shū)いてあることを読みあげた?！溉毡兢?、過(guò)去に日本が戦爭(zhēng)によって中國(guó)人民に重大な損害を與えた責(zé)任を痛感し、深い反省を表明します」。日本側(cè)の通訳がすぐにそれを中國(guó)語(yǔ)に訳した。

姫部長(zhǎng)は大平外相にその紙片を渡してよく見(jiàn)せてくれと要求し、一字一句間違いなく翻訳しろと私に命じた。命令どおり私は訳し、日本側(cè)の通訳に間違いはありませんでしたと付け加えた。

聞き終わると、姫部長(zhǎng)はじっと長(zhǎng)い時(shí)間考え込んだ。私は我慢ができなくなり、できるだけ小さな聲で彼に言った?！笂块L(zhǎng)、私としては、この案を受け入れていいと思うのですが…」。

姫部長(zhǎng)は激怒し、ごく小さな聲で私を叱りつけた。「バカなことを言うな！」。そして、私の太ももをものすごくきつくつねった。私はびっくりしたが、すぐに思い知った。姫部長(zhǎng)は普段は溫厚で親しみやすい人であり、私のことを尊重してくれてもいたが、私がそのとき言ったことは、こういう肝心なときに通訳がけっして口にしてはならないことだった、と。

それからしばらくして、姫部長(zhǎng)はやっと口を開(kāi)いた。10分間休憩にしましょう、その後で中國(guó)側(cè)の返事をする、と。大平外相も同意し、自分も內(nèi)容を田中首相に報(bào)告しなければならないと言った。

ということはつまり、紙片に書(shū)かれたあの文句は田中首相といっしょに考えて決めたものではなく、大平外相1人でよく考えた末に書(shū)いた言葉だったということになる。後になって日本の外務(wù)省の橋本恕?中國(guó)課長(zhǎng)が私に話してくれたところによると、「共同聲明」の起草については大平外相が全権を與えられていたという。

2人の外務(wù)大臣のうち、1人は急ぎ足で18號(hào)樓を出ていき、もう1人はゆっくりと2階の田中首相の寢室に上がっていった。後で聞いたことだが、周総理もその夜、國(guó)賓館に泊まり込んでおり、姫部長(zhǎng)は周総理に報(bào)告に行ったのだった。

およそ15分後に交渉は再開(kāi)された。姫部長(zhǎng)は言った。大平外相の提案を採(cǎi)用しよう、そして、これが中國(guó)政府の最終的な態(tài)度だ、と付け加えた。問(wèn)題はついに解決したのだ。

外交部の一部には、これに不満な者たちもいた。「戦爭(zhēng)」の前に「侵略」の2文字を付け加えるべきだというのだ。それを聞いた周総理は言った。文字の表現(xiàn)している筋道を考えるなら、「共同聲明」でいう「戦爭(zhēng)」が「侵略戦爭(zhēng)」であることは誰(shuí)にだってわかるはずだ。なぜなら、もし侵略戦爭(zhēng)でなかったなら、日本が中國(guó)人民に大きな損害を與えることはできなかったはずだ。侵略戦爭(zhēng)でなかったら、今の日本政府が責(zé)任を痛感し、深く反省する理由がないじゃないか。

明け方、姫部長(zhǎng)に會(huì)ったとき、私はすぐに自己批判した。數(shù)時(shí)間前の自分の行動(dòng)はあまりにも軽率であり、出過(guò)ぎた行為だった。二度とこのような過(guò)ちは犯しません、と言ったのだ。姫部長(zhǎng)は言った。外交上の権限には限界がある。外交部長(zhǎng)である自分でさえも、重要なことを決定する権利はない。通訳がどうのこうの言って、決定を下すことができると思うなんて、まったくとんでもない出過(guò)ぎた真似だ。

私はいちいちうなずいて、そのとおりですと言った。辭去しようとすると、彼は最後に言った。言ったことの中身が間違っていたのではない。言うべき立場(chǎng)ではない君が言ったことが間違いなんだ。これを教訓(xùn)として、一生忘れてはいけないぞ。

もう一つの懸案だった「日蔣條約」を「共同聲明」でどのように扱うかという問(wèn)題については、「共同聲明」のなかでは言及せず、日本の外務(wù)大臣の談話の形で表現(xiàn)するということで決著した。

1972年9月29日午前10時(shí)、「共同聲明」は両國(guó)の外務(wù)大臣の署名によって発効した。署名の式典が終わると、大平外相はすぐに民族文化宮に行って記者會(huì)見(jiàn)をおこなった。

記者會(huì)見(jiàn)が始まるとすぐ、大平は大聲で宣言した?！浮汗餐暶鳌护韦胜扦涎约挨筏皮悉い胜い?、日中関係正常化の結(jié)果、『日華平和條約』はその存在意義を失い、終了したというのが日本政府の見(jiàn)解である」。

【手強(qiáng)い相手だった】

調(diào)印式典終了後、上海に向かった専用機(jī)は午後3時(shí)半、虹橋空港に著陸した。

その夜、上海で歓迎?歓送會(huì)が開(kāi)かれた。田中首相はおおいに語(yǔ)り、この度の中國(guó)訪問(wèn)が円満に成功した最大の功労者は周恩來(lái)総理であることを何度も強(qiáng)調(diào)した。そして、中國(guó)側(cè)の人々と何度も何度も乾杯して、少なくとも15、6杯の茅臺(tái)酒を飲んだと思う。周総理も機(jī)嫌がよく、やはり10數(shù)杯は飲んでいた。

北京に戻ってから、禮賓司の韓敘司長(zhǎng)に聞いたのだが、その年の5月18日以來(lái)、周総理が外交儀禮の場(chǎng)で飲んでいたのはすべて湯冷ましで、酒ではなかったという。というのも、周総理は膀胱癌の診斷を受けており、醫(yī)療チームが彼に一滴の酒も飲ませないようにしていたからだ。この話を聞いて、私は本當(dāng)に驚き、悲しく思った。周総理は重病をおして日中國(guó)交回復(fù)の準(zhǔn)備をし、指揮を執(zhí)っていたのだ。

田中角栄はこう言っている?！钢袊?guó)は共産黨の國(guó)だと考えている人たちもいる。だが、私はずっと中國(guó)は他國(guó)を侵略したりしないと考えている。そう考えたからこそ、私はこの日中國(guó)交正?；螌g現(xiàn)に踏み出したのだ」。またこうも言った?！笇?lái)、中國(guó)が強(qiáng)大な國(guó)になった後も、日本の脅威になることはないはずだ。中國(guó)には広大な領(lǐng)土と10億の民がいる。中國(guó)は自分たちのことだけで手いっぱいだろう。中國(guó)の目標(biāo)は自分の國(guó)をきちんとすることだ。ちょっとでも中國(guó)の歴史を読めば、それがわかるはずだ」。（提供/月刊中國(guó)ニュース）