巖田宇伯 2018年8月5日(日) 14時40分
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2011年ごろから2014年あたりにかけ、日中両國で話題になったトンデモ抗日ドラマ?,F在の抗日ドラマ事情はいったいどうなっているのか?そのあたりを中國の動畫サイトの事情を交え、軽くレポートしたいと思う。寫真は『超自然事件之墜龍事件』。
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【その他の寫真】
例に挙げるのは中國の大手動畫サイト「Youku」の軍事ドラマジャンルで公開されている作品數をエビデンスとする。明らかに年代が異なる解放軍ものや三國志時代の軍事ドラマは除外した。ただし、Youkuにはないが他の動畫サイトで公開されていたり、TV放映はあったものの動畫サイトにアップされない作品もあるが、概略を把握するなら事足りる。
▼Youku年別抗日ドラマ作品數(カッコ內:全ジャンル作品數)
2010年:69本(347)
2011年:89本(348)
2012年:73本(350)
2013年:82本(309)
2014年:63本(336)
2015年:55本(328)
2016年:25本(245)
2017年:6本(192)
2018年:2本(226)
上記の一覧で2016年ころから激減しているが、これはゴールデンタイムにおけるドラマ放映數の規(guī)制が発動されたことと関係ありそうだ。従來ゴールデンタイムに3話4話放映していたものが2話までとなったため、必然的に作品數が淘汰されたと推測する。
【代わりに臺頭してきたジャンル】
全體的な作品數が減ったとはいえ、従來、アクションドラマの一角を擔う抗日ドラマはさらに激減。その穴埋めというわけではないが、警察もの、人民解放軍ものが増えている。抗日ドラマ同様、日本では考えられないほどの爆発シーン、アクションシーン満載で楽しめる。スローガン満載で抗日ドラマより説教臭いシーンが多いのが難點だ。
また、アマゾンプライムビデオやネットフリックスがオリジナル作品を連発しているように、中國の動畫サイトでも自主制作が増えている。こちらは作品を鑑賞している限り、表現規(guī)制はテレビより緩そうだ。
【それでも抗日神劇は死なず】
ところがである、トンデモ作品の代表作『抗日奇?zhèn)b』や『英雄使命』など、いまだに地方放送局の再放送枠で健在だ。各省の衛(wèi)星放送局、さらに各都市の放送局と、日本とは比べ物にならない數の放送局があり、そしてその放送枠がある。なので、かつて人気のあった作品などは深夜早朝や晝間の再放送によく登場する。
新たに制作される抗日ドラマの作品數が激減したとはいえ、「抗日」は中國にとっては建國神話の一部である、ドラマで19世紀末から20世紀前半を扱えば必ず日本が関わってくるので、抗日ドラマはゼロにはならないはずだ。
また、前述した動畫サイトの自主制作作品として『鬼子也瘋狂』という不條理抗日ドラマやSF作品で抗日期にタイムトラベルする『超自然事件之墜龍事件』が公開されたりと、テレビだけではなく、新たなメディアにクリエーターの軸足が動く現象もみられる。そういった新しいメディアで今までにない表現が試されるのであれば、中國ドラマファンとしても楽しみである。
■筆者プロフィール:巖田宇伯
1963年生まれ。景徳鎮(zhèn)と姉妹都市の愛知県瀬戸市在住。前職は社內SE、IT企畫、IT基盤の整備を長年にわたり擔當。中國出張中に出會った抗日ドラマの魅力にハマり、我流の中國語學習の教材として抗日作品をはじめとする中國ドラマを鑑賞。趣味としてブログを數年書き溜めた結果、出版社の目に留まり『中國抗日ドラマ読本』を上梓。なぜか日本よりも中國で話題となり本人も困惑。ブログ、ツイッターで中國ドラマやその周辺に関する情報を発信中。
1963年生まれ。景徳鎮(zhèn)と姉妹都市の愛知県瀬戸市在住。前職は社內SE、IT企畫、IT基盤の整備を長年にわたり擔當。中國出張中に出會った抗日ドラマの魅力にハマり、我流の中國語學習の教材として抗日作品をはじめとする中國ドラマを鑑賞。趣味としてブログを數年書き溜めた結果、出版社の目に留まり『中國抗日ドラマ読本』を上梓。なぜか日本よりも中國で話題となり本人も困惑。ブログ、ツイッターで中國ドラマやその周辺に関する情報を発信中。twitterはこちらブログはこちら
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