JSAをジープで乗り込んできたあの日は、別の部隊(duì)で勤務(wù)する友人に會(huì)って嬉しくて酒を飲み、飲んでいるうちにトラブルが起きて韓國(guó)に來(lái)たのだそうだ。こっち來(lái)る時(shí)は酒がほとんど覚めた狀態(tài)だった。その友人の車(chē)に乗って來(lái)たらしい。

北で殺人をしてこっちに逃げてきたのではないのかという報(bào)道もあったのだが、これもそうではないとはっきりと否定し、すでに韓國(guó)の國(guó)情院（國(guó)家情報(bào)院の略で日本の公安警察に相當(dāng)）での調(diào)査でシロであることが証明されているとした。

韓國(guó)に來(lái)ていい點(diǎn)は何かとの問(wèn)いに、「自由だからいい。行きたいところに行き、やりたいことができる。それが一番いい」とオ氏は答える。ここの部分を見(jiàn)たとき、筆者の心の琴線がびりびりとふるえた。

筆者も含めわれわれ日本人や韓國(guó)人は、毎日自由を謳歌しているわけだけれど、自由のありがたさなど、これっぽっちも感じていないのではないだろうか。行きたいところに行き、買(mǎi)いたいものを買(mǎi)う。あまりにも當(dāng)たり前のことだ。でもこれって、実はそんなに當(dāng)たり前のことではないのだということをオ氏の言葉を聞いてあらためて感じさせられるのだ。

子どもは學(xué)校になんか行きたくないといい、會(huì)社員は會(huì)社になんか行きたくないという。學(xué)校で勉強(qiáng)できるありがたさとか會(huì)社で仕事のできるうれしさというものなど、普段、感じているだろうか（自分も含めて）。

どこへ行っても誰(shuí)からも注意されることもないし、罰せられることもない。そういう「自由」のありがたみをもっと切実に感じるところから再出発しないといけないんじゃないのかとしみじみと思わされた次第だ。

オ氏は周辺の人々から、韓國(guó)の人気タレント「ヒョン·ビン」に似ていると言われているそうで、「ヒョン·ビン」がどんな風(fēng)貌なのかネットで調(diào)べてみたのだが、本人いわく、「全く似ていなかった」。

しかし、インタビュー記事に橫顔がぼかしで出ているのだが、それを見(jiàn)る限りでは、はっきりした顔つきはわからないけれど、かなり美男子であることは間違いない。ヒョン·ビンと全然似てないというのは、謙遜の気持ちもかなり含んでいる発言かと筆者は感じた。

これから韓國(guó)の地で自立して行くことになる。25歳という若さを存分に発揮して、意味ある人生を送ってほしいところだ。

銃創(chuàng)はかなりよくなったけれど、天気の悪い日には痛むという。特に腰が本調(diào)子ではないみたいだ。長(zhǎng)く立っていたり重いものを持ちあげたりするのはきついという。

しかし若さがあるじゃないか。全ての困難を乗り越えることのできる若さがある。オ?チョンソン君には、天が與えてくれた「自由」の生を生きていってほしい。それが統(tǒng)一につながるものであれば、花を添えるものとなるだろうけど、そういう雑音は言うまい。ただあるがままの自由なる生を、是非、生きていってほしいと願(yuàn)うばかりだ。

■筆者プロフィール：木口 政樹(shù)

イザベラ?バードが理想郷と呼んだ山形県?米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結(jié)婚。元三星（サムスン）人力開(kāi)発院日本語(yǔ)科教授、元白石大學(xué)校教授。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。著書(shū)に『おしょうしな韓國(guó)』、『アンニョンお隣さん』など。まぐまぐ大賞2016でコラム部門(mén)4位に選ばれた。

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