関東でもまもなく桜が満開となる25日、中國(guó)版ツイッター?微博（ウェイボー）に「奪うな、桜は本當(dāng)に日本のものだ」と題する文章が掲載された。

文章の著者は、現(xiàn)在、上海辰山植物園に勤める劉夙（リウ?スー）氏。毎年、桜が開花する時(shí)期になると、日中韓で「桜の起源論爭(zhēng)」が起こるが、劉氏は2015年に「桜の起源は日本である」と主張する文章を掲載し注目を集めた。劉氏が今回、自身の微博アカウントに掲載したものは、當(dāng)時(shí)の文章に加筆した「2019年版」となっている。以下はその概要。

毎年、春になると、東アジアで桜が開花する。そして、それと共に日中韓3カ國(guó)のメディアをにぎわすのが桜の原産地論爭(zhēng)である。

私は、中國(guó)のいわゆる専門家やメディアが桜の起源についておかしな言論を発表するのをもう何年も見続けてきた。2015年の「両會(huì)（※全國(guó)人民代表大會(huì)と中國(guó)人民政治協(xié)商會(huì)議）」の期間中、委員から桜産業(yè)を発展させる提案が出た。あるメディアは「桜の起源は中國(guó)のヒマラヤ山脈だ」「秦漢の時(shí)代にはすでにあり、後に日本に伝わった」などと報(bào)じた。同年3月には韓國(guó)メディアが「ソメイヨシノの起源は韓國(guó)である」と主張した。そして、中國(guó)桜花産業(yè)協(xié)會(huì)の代表は「桜の起源は日本でも韓國(guó)でもなく、中國(guó)である」という驚くべき発言をした。

2016年春には、武漢市のネット金融サービス會(huì)社が東京渋谷の大型モニターに「世界の桜のふるさと」と銘打って武漢大學(xué)の桜をPRした。2017年には、山東省棗荘市山亭區(qū)の役人が、農(nóng)業(yè)科學(xué)院の専門家の結(jié)論として「世界の桜の原産地は山亭だ」と発言した。そして、2019年春、武漢大學(xué)で和服のような服裝をした人物が警備員と衝突する事件が発生し、桜だけでなく「和服の起源は中國(guó)だ」などと主張する聲まで上がった。

実は、「桜」の定義をはっきりさせれば、科學(xué)的にはそれほど起源が論爭(zhēng)になることはないのである。

■人工的な桜の核は日本固有、栽培も日本が主

桜は學(xué)術(shù)的にはバラ科モモ亜科スモモ屬であり、多くの品種の総稱である。しかし、一般に言われる「桜」は人工的に作り出され、広く栽培されている品種のことを指す。そのため、まず「野生の桜」と「人工の桜」は分けて考える必要がある。両者の起源に関する論爭(zhēng)は、科學(xué)上まったくの別問題だ。

人工的に栽培された桜は、品種が非常に多いため、いくつかの種類に分けられる。カワヅザクラに代表される早咲き種、ソメイヨシノに代表される中咲き種、カンザンザクラに代表される遅咲き種など、開花の時(shí)期によって分類する方法もあれば、花の直徑などによる分け方もある。

現(xiàn)在では、さまざまな品種があるが、その祖先である野生種の數(shù)は多くない。すべての人工栽培の桜は、野生種をかけあわせて生まれたものだ。そのため、人工の桜の起源を論じる時(shí)は、その祖先に當(dāng)たる野生の桜の種類を調(diào)べなければならない。

以前は技術(shù)が追い付かず、判斷が難しかったが、分子生物學(xué)の技術(shù)発展によって多くの問題に割とはっきりした答えが出ている。現(xiàn)在、自信を持って言えることは、人工栽培の桜のほとんどが、オオシマザクラ、カスミザクラ、ヤマザクラ、エドヒガンザクラ、カンヒザクラの5つの野生種から生まれているということである。この5種のうち、カンヒザクラを除く4種は日本の野生に分布しているもので、オオシマザクラは伊豆や房総半島が原産の日本の固有種だ。

オオシマザクラは人工栽培の桜の「核」と言っていいもので、多くの有名な品種がこの血統(tǒng)を有している。たとえば、カンヒザクラ、ヤマザクラ、エドヒガンザクラを、それぞれオオシマザクラとかけあわせて生まれたのが、カワヅザクラ、カンザンザクラ、ソメイヨシノである。つまり、現(xiàn)代の人工栽培された桜の品種は、明らかに日本の特色を有している。これらの種類は、その核となるオオシマザクラさえ分布していない中國(guó)では、誕生することはほぼあり得ないのである。

上述の5種類の祖先に當(dāng)たる桜のうち、カンヒザクラは沖縄県の石垣島に分布していたが、これはおそらく中國(guó)華南から伝わったもので、日本原産ではない。しかしながら、カンヒザクラは長(zhǎng)きにわたって中國(guó)で開発されてこなかった。日本に伝わり、日本人の手によって初めて、人工栽培の桜のシステムの中に組み込まれた。カンヒザクラの血統(tǒng)を持つ品種であっても、その起源は中國(guó)ではなく日本であると言うことができる。