■野生の桜の起源は數(shù)千萬(wàn)年前のヒマラヤ

野生の桜の起源はまったく別の問題である。確かに、現(xiàn)生する100余りの野生種の原産はヒマラヤ山脈地域の可能性が高く、それが広まっていったルートの一つとして、現(xiàn)在の中國(guó)東部、朝鮮半島、日本列島がある。しかし、これらは國(guó)も人間も存在しない數(shù)百から數(shù)千萬(wàn)年前のことである。

桜の起源が中國(guó)にあると主張する人の多くは、日本の「桜大鑑」の「桜の起源は日本よりもむしろヒマラヤであると稱してもよいのでは」という記述を論拠としている。しかし、それは野生の桜の起源であり、人工栽培された桜の起源ではない。つまり、一般の人が理解している「桜」の起源ではない。

一部の専門家は、故意あるいは意図せずにこの2つを混同して論じ、野生の桜の起源を用いて人々をミスリードしている。ひどい場(chǎng)合は、「桜は唐代に日本に伝わった」などという誤った説を散布しているのだ。

■韓國(guó)の「桜の起源」主張はかつて仮説が存在

人工栽培の桜の起源をめぐる日韓の爭(zhēng)いについては、日中のそれとは異なる。まず、韓國(guó)人が主張しているのはソメイヨシノの起源だけであり、中國(guó)の一部の専門家のように「食欲旺盛」で、すべての桜の起源を主張しているわけではない。そして、韓國(guó)人のこの主張は確かに科學(xué)的な仮説として存在したのだ。

韓國(guó)の済州島と全羅南道南部には野生の「王桜」があり、形はソメイヨシノと非常によく似ている。そのため、1932年に日本の植物學(xué)者?小泉源一氏が「ソメイヨシノの起源は王桜」との仮説を立てた。しかし、その後、ソメイヨシノがオオシマザクラとエドヒガンザクラをかけあわせたものであるという証拠が次々と見つかった。2007年には分子研究の結(jié)果、王桜とソメイヨシノは別の種であると証明されている。この時(shí)點(diǎn)で、小泉氏の仮説は完全に歴史の遺物となり、これを再び持ち出すことはまったくもって科學(xué)の精神に反する。

桜の起源を簡(jiǎn)単に説明せよと言われれば、「桜の起源は日本であり、他國(guó)は口出しするな」としか言いようがないのである。

■中國(guó)はどんな花見文化をつくるべきか

人工栽培の桜の起源は日本だが、現(xiàn)代の「花見文化」の起源が日本にあることはさらに疑いようがない。日本は奈良時(shí)代、中國(guó)文化の影響を色濃く受けており、中國(guó)から伝わった梅の花をめでる習(xí)慣があった。しかし、平安時(shí)代から日本は自國(guó)文化を徐々に発展させ、桜が梅に代わり日本人が最も好む春の花になっていった。戦國(guó)時(shí)代、日本人は、短時(shí)間に咲き、あっという間に散っていく桜に、短命な武士の姿を重ねた。そして、桜は日本の実質(zhì)的な「國(guó)花」のような位置づけになっていく。

私たちは、桜の文化を世界に広めたのは日本人であり、中國(guó)人ではない（韓國(guó)人ではもちろんない）ということを認(rèn)めなければならない。日本文化なくしては、中國(guó)が獨(dú)力で數(shù)兆元にも上ると言われる桜産業(yè)をここまで育てることはできなかっただろう。しかしながら、今日の中華民族は一定程度、抗日という共通の記憶を基につくられた共同體であり、日本の武士道精神の象徴とされる桜文化は中國(guó)の人々に広く受け入れられにくい側(cè)面もある。

中國(guó)には32種の野生の桜があり、そのうち25種が中國(guó)固有種とされる。その數(shù)は日本の野生種よりも多く、開発すれば優(yōu)れた品種が生まれるだろう。だが、新たに開発した品種であれ、日本から引き入れた品種であれ、最も良い宣伝はわざわざ伝統(tǒng)や文化と結(jié)び付けないことだ。桜はもともと自然から生まれ、自然の美しさがある。浮世の情に浸る中國(guó)人はそうした重荷を下ろし、純粋に大自然のきらめきを楽しんではどうだろうか。（翻訳?編集/北田）