「でっち上げだったトンキン灣事件が発生して56年経った今、朱教授が心配しているのは、第二のトンキン灣事件の発生だ」と私は昨年、発表したコラムの原稿にこうまとめている。しかし、トランプ氏はすでに大統(tǒng)領(lǐng)戦に負(fù)けたが、米中間の軍事的衝突の危険性はむしろますます高まっている。

■米駆逐艦の南シナ海航行に中國(guó)解放軍が出動(dòng)、そして…

香港在住のジャーナリスト紀(jì)碩鳴氏が最近、発表したレポートは間違いなくその危険性を指摘している。

12月22日、米海軍第7艦隊(duì)の駆逐艦「ジョン?S?マケイン號(hào)」（USS John S.McCain、DDG-56）が航行の自由行動(dòng)を行うと稱して、南シナ海を航海した。いうまでもなく中國(guó)の解放軍も出動(dòng)して対応した。米中雙方とも軍事対峙（たいじ）の詳細(xì)を明らかにしていないが、衛(wèi)星寫真によると、両國(guó)の軍艦は前後約300メートルしか離れていない。

マケイン號(hào)は南シナ海の「常連」である。同艦は10月9日、西沙諸島一帯で活動(dòng)していた。中國(guó)側(cè)は領(lǐng)海に侵入したことを指し、解放軍の?？毡Δ蝰l使して駆逐したという。同艦は18日夜に臺(tái)灣海峽も航行した。その続きとして、20日、解放軍空母「山東號(hào)」とその護(hù)衛(wèi)艦群が臺(tái)灣海峽を航行した。

12月22日、中國(guó)はもう一つの軍事行動(dòng)も実施した。

米中が南シナ海で対峙しているとき、中國(guó)軍機(jī)「轟6K機(jī)」4機(jī)とロシア軍機(jī)15機(jī)が東シナ海を巡航し、韓國(guó)の防空識(shí)別圏に飛び込み、韓國(guó)を緊張させた。韓國(guó)外交部は遺憾の意を表明し、再発防止を呼び掛けた。

中國(guó)側(cè)の報(bào)道によれば、中ロ空軍が共同編隊(duì)を派遣し、日本海と東シナ海の関係空域で共同巡航をした。飛行期間中、両國(guó)の空軍機(jī)は國(guó)際法の関係規(guī)定を厳格に遵守し、他國(guó)の領(lǐng)空には進(jìn)入しなかった。韓國(guó)軍側(cè)も、中國(guó)側(cè)が軍機(jī)進(jìn)入前に韓中両國(guó)間の直通電話を通じて定例の訓(xùn)練計(jì)畫であることとして韓國(guó)側(cè)に通報(bào)した。韓國(guó)軍も中國(guó)軍機(jī)が飛來する前から空軍戦闘機(jī)を出動(dòng)させて正常な戦術(shù)措置を取っていたと明らかにした。しかし、中ロ軍機(jī)が防空識(shí)別圏に突入したことに対して、韓國(guó)軍はやはり緊張感を覚えた。

さらに、臺(tái)灣西南部にも3機(jī)の解放軍の軍機(jī)が進(jìn)入し、臺(tái)灣側(cè)の軍機(jī)と対峙した。臺(tái)灣のパイロットが通話中に暴言を吐いたほど、緊張が高まっていた。

朱建栄教授が心配していた米國(guó)の「非常手段」つまり第二の「トンキン灣事件」だが、最近の米中軍事対峙がエスカレートしてくるのに従って、その可能性が逆にますます心配されるようになった。ジャーナリスト紀(jì)碩鳴氏のレポートはまさにその「擦槍走火」の可能性が増長(zhǎng)している現(xiàn)実を浮き彫りにした。幸いなことに、少なくとも軍事対峙の第一線にいる米中雙方の軍人は比較的抑制した態(tài)度を保っている。こうした予斷を許さない緊張感はおそらく米國(guó)の新大統(tǒng)領(lǐng)が就任したときまで、つまり來月の中旬まで続くだろう。平和は一番貴いものだと噛みしめている今頃だ。

■筆者プロフィール：莫邦富

1953年、上海市生まれ。85年に來日?！荷哳^』、『「中國(guó)全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中國(guó)』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多數(shù)。
知日派ジャーナリストとして、政治経済から社會(huì)文化にいたる幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭」といった新語(yǔ)を日本に定著させた。また日中企業(yè)やその製品、技術(shù)の海外進(jìn)出?販売?ブランディング戦略、インバウンド事業(yè)に関して積極的にアドバイスを行っており、日中両國(guó)の経済交流や人的交流に精力的に取り組んでいる。
ダイヤモンド?オンラインにて「莫邦富の中國(guó)ビジネスおどろき新発見」、時(shí)事通信社の時(shí)事速報(bào)にて「莫邦富の『以心伝心』講座」、日本経済新聞中文網(wǎng)にて「莫邦富的日本管窺」などのコラムを連載中。
シチズン時(shí)計(jì)株式會(huì)社顧問、西安市政府國(guó)際顧問などを務(wù)める。

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