まずは、杉山怡萍（イーピン）さんの家のおせち料理を取り上げたい。

イーピンさんは、バスケットボールの元プロ選手で、醫(yī)學(xué)生でもあった。來日してから日本人男性と結(jié)婚。2010年に「第1回國民的美魔女コンテスト」（光文社主催）に參加したイーピンさんは、2300人以上の応募者の中から、20人の美魔女ファイナリストに選ばれた。50歳を過ぎた今、朗読などに取り組んでいる。

杉山家が選んだ新年の料理はなだ萬のおせち料理だった。

「義理の弟の仕事の関係で、おせち料理はずっとなだ萬さんのを選んでいます。途中2回ほど京都の老舗料亭のものを頼んだことがありましたが、やはりなだ萬が好きだと思って、元の選択に戻りました。味というものにはやはり人それぞれの好みとこだわりがありますね。ただ、今は子供が大きくなって、家では夫婦2人で暮らしているので、選択したおせち料理のサイズは自然に小さくなりました」

日本の伝統(tǒng)路線を歩むなだ萬のおせち料理の赤い風(fēng)呂敷きはお祝い事に最適で、新年を迎える喜びをいっそう高めるような気がした。

長年、橫浜中華街の名店?聘珍樓に勤めていた上海出身の北沢義之さんの家では、今年は雙子の娘さんがおせち料理のスタイルを主導(dǎo)した。小さい頃から美食にこだわる家庭で育った姉妹2人は、伝統(tǒng)的な味よりも、おいしい自己流おせち料理を作りたいと両親に強(qiáng)くアピールして、その支持を勝ち得た。

北沢家のおせち料理は、食材はスーパーから購入したもので、コストは約2萬円。姉妹2人は6時間も費(fèi)やしてやっとその自己流おせち料理を完成させた?！噶侠恧饯韦猡韦悉饯螭胜搜}雑ではなかったが、盛り付けには相當(dāng)苦心した」というのはお父さんの評価だ。

しかし、その自己流おせち料理を?qū)懁筏繉懻妞蟻I親によって中國版SNS微信に投稿されると、すぐに注目を集め、好評を博した。

日中両國の文化の薫陶を受けた若い世代のグルメに対する美意識が透けて見えるから、その自己流おせち料理はなかなか面白い。

1990年代初期、ニューヨーク?チャイナタウンに暮らす新華僑を取材していたとき、チャイナタウンで中華レストランのメニューの豊富さと市場の中國料理向けの食材の多様さに感激した。當(dāng)時、現(xiàn)地のメディアから日本との比較についての感想を求められた。私は「日本の中國人社會が100萬人規(guī)模ぐらいになったら、おそらく同様の現(xiàn)象が見られるだろう」とコメントしたことがある。

現(xiàn)在、在日中國人社會が70萬人規(guī)模となり、帰化した人數(shù)を入れると、100萬人近い規(guī)模はあるだろう。ここ10年、日本の中華レストランのメニューや中華料理によく使われる食材が見る見るうちに豊富になってきた。おせち料理を作る中華レストランもだいぶ増えてきた。新華僑系中華レストランは中華料理の世界では明らかに一種の新興勢力として臺頭している。