「中國(guó)5000年の歴史」などと言う。中國(guó)の考古學(xué)はどのように「5000年の歴史」が事実である証拠を固めてきたのだろうか?，F(xiàn)狀はどうなのか。中國(guó)社會(huì)科學(xué)院學(xué)部委員であり、中國(guó)考古學(xué)界理事長(zhǎng)も務(wù)める王巍氏はこのほど、中國(guó)メディアの中國(guó)新聞社の取材に応じて、中國(guó)考古學(xué)が解明してきた古代の謎と、中國(guó)考古學(xué)の現(xiàn)狀を説明した。以下は王氏の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

【その他の寫真】

■中國(guó)各地で発生した古代文明、生き殘ったのが中原文明だった

中國(guó)で考古學(xué)の調(diào)査研究が始まったのは1921年で、それから現(xiàn)在までの100年間において発見された大量の実物資料の研究を通じて黃河、長(zhǎng)江、遼河流域の先史時(shí)代の文化は、いずれも現(xiàn)地で発生して育ったことが分かった。中國(guó)では今から1萬(wàn)3000年前には、すでに陶器を作る技術(shù)があった。1萬(wàn)年前には稲やアワ、キビの栽培が始まった。9000年前には玉（ぎょく、ヒスイなど）の加工技術(shù)を手にした。彩色陶器に特殊な記號(hào)をしるした。イノシシを家畜化して豚にした。かつては、中國(guó)古代の文化文明は西方から伝わったという説があったが、今では通用しない。

今から5500年前には黃河の中流以下、長(zhǎng)江の中流以下、遼河の流域に文化が発生し、社會(huì)の上層部には交流が存在した。それらの地域では竜をトーテムとして祖先を崇拝した。身分による「禮」の制度もできた。今から5000年には、一部地域の社會(huì)は「國(guó)」としての性格を持つようになっていた。

今から4300年ぐらい前には、長(zhǎng)江流域と黃河の上流域と下流域、遼河流域で栄えていた文明が衰退し始めた。一方、黃河中流域、いわゆる中原地帯では文化文明の発展が続き、周辺地區(qū)に存在した先進(jìn)的な要素も吸収した。こうして國(guó)家という形式が固まっていった。

中國(guó)の歴史書に登場(chǎng)する最も早い王朝國(guó)家は「夏」だ。外國(guó)では「夏の実在はまだ証明されていない」との意見もあったが、中國(guó)では河南省偃師（えんし）県內(nèi)の二里頭遺跡の年代が、炭素14年代測(cè)定法により殷よりも古い事が判明したことから、夏王朝は存在したと考えられようになった。

この時(shí)代には都市全體の配置、宮室の配置、儀禮用の青銅器や玉器や陶器が規(guī)範(fàn)化された。これらの文化は黃河の下流と上流にも伝わっていった。遠(yuǎn)いベトナム北部でも、當(dāng)時(shí)の中原王朝で作られた?jī)x禮用の玉器が出土している。

周が衰えて春秋戦國(guó)時(shí)代になると、かつては統(tǒng)一されていた各諸侯の都の構(gòu)造や貴族の墓にも群雄割拠の影響が及ぶ。秦が戦國(guó)の世を統(tǒng)一すると、その後の中國(guó)では改めて、統(tǒng)一して発展していく國(guó)の形態(tài)が確定した。

■中國(guó)各地にある仏教寺院は、中國(guó)文明が持つ包容力の象徴

中華文明には少なくとも三つの大きな特徴がある。まず、中華文明には歴史上の斷絶がないことだ。次に、開放的で包容力があることだ。それぞれの時(shí)代で、他の文明の先進(jìn)的な要素を取り入れ、融合することで中華文明は発展してきた。最後に「多元」と「一體」の両方を備えている。

中國(guó)と外部の文明の交流では、中國(guó)から外に伝わったものもあれば、外から中國(guó)に伝わったものもある。稲やアワやキビは朝鮮半島や日本、東南アジア、さらに西アジアにも広まった。西洋からは中國(guó)に小麥や羊や冶金技術(shù)などが伝わった。

中國(guó)には洛陽(yáng)の白馬寺や敦煌の石窟などを代表とする古い寺院や石窟寺院が、全國(guó)各地に存在する。中國(guó)は外來(lái)の仏教を取り入れた。仏教は中國(guó)固有の道教や儒教と融合した。仏教は極めて急速に中國(guó)化した。このことも、中華文化の特徴である包容力を示している。

現(xiàn)在の中國(guó)では居住地域が違ったり異なる民族に屬する人でも、先祖崇拝や「禮」などの共通の概念や習(xí)慣を持つのが一般的だ。これが「多元」と「一體」いうことだ。

■研究の國(guó)際交流が進(jìn)行中、研究にも普及にもハイテク技術(shù)を駆使

中國(guó)の考古學(xué)研究では、科學(xué)技術(shù)の比重が大いに高まりつつある。発掘など伝統(tǒng)的なフィールドワークが土臺(tái)ではあるが、自然科學(xué)やその他の人文科學(xué)との融合が強(qiáng)化され、共同研究が進(jìn)められている。

考古學(xué)の國(guó)際協(xié)力も進(jìn)展している。かつての中國(guó)考古學(xué)界では、外國(guó)の研究者を「お招き」することが主流だった。しかし21世紀(jì)になると、外國(guó)人研究者の受け入れと、中國(guó)人研究者の國(guó)外に出ての研究が併存するようになった。2013年以降は中國(guó)人研究者が國(guó)外に出ることが主流になった。

「一帯一路」イニシアチブが打ち出されてから、ますます多くの中國(guó)の考古學(xué)チームが國(guó)外で研究するようになった。2016年から19年までの間に、中國(guó)の考古學(xué)調(diào)査隊(duì)延べ32チームが、アジア、アフリカ、歐州、米大陸の22カ國(guó)における36件の國(guó)際合同発掘調(diào)査に參加した。

考古學(xué)関係者には、研究の成果を大衆(zhòng)に紹介する責(zé)務(wù)もある。4D、5D、拡張現(xiàn)実（AR）、仮想現(xiàn)実（VR）など先端の科學(xué)技術(shù)を利用した見せ方をもっと広めたり、考古學(xué)の成果學(xué)習(xí)と娯楽を兼ね備えた遺跡のテーマパークなどを建設(shè)することも有効だ。（構(gòu)成 / 如月隼人）