キームン紅茶、あるいはキームン茶は、中國安徽省黃山市內(nèi)の祁門（中國標(biāo)準(zhǔn)語では「チーメン」に近い発音）県で生産されてきたことにちなむ紅茶の品種名だ。キームン茶は世界三大紅茶の一つともされ、紅茶好きとして知られる英國人もキームン茶を極めて高く評(píng)価している。中國國家級(jí)無形文化遺産プロジェクトの一つであるキームン紅茶製造技術(shù)伝承の事業(yè)における伝承者の一人に指定されている王昶氏はこのほど、中國メディアの中國新聞社の取材に応じ、キームン茶の魅力と國際交流において果たしている役割について語った。以下は王氏の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

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■世界三大茶のウバ?ダージリン?キームン、その性格の違いとは

英國では、キームン茶が「紅茶の女王」ともされている。トルコの詩人アーメド?ヒクメット（1870－1927年）は、キームン茶を「中國の香り高き茶に、かぐわしき春を見た」と詩につづった。中國にはキームン茶以外にもさまざまな紅茶があるが、キームン茶の香りは格別とされている。

世界の三大茶とされるのは、インドのダージリン茶、スリランカのウバ茶、中國のキームン茶だ。この3種の茶は風(fēng)格が全く異なる。

キームン茶には東洋の女性をも連想させる、優(yōu)雅で清らかな甘い香りがある。バラの香り、果実の香り、蜜の香りがあふれ、蘭の香りも帯びており、味わう人にしっとりとした優(yōu)雅な感じを與える。

ウバ茶には鋭く豪快な香気がある。その香りの中には、さわやかなスズランの香りと濃厚なジャスミンの香りの成分が含まれている。

ダージリン茶の香りには麝香（じゃこう）の成分が含まれゴージャスだ。香りの位置づけとしてはキームン茶とウバ茶の中間とも言え、ふっくらとして張りがある。

「三大紅茶」と稱されるのは、この3種の紅茶が他の紅茶では得られない、心地よい感覚體験をもたらしてくれるからだ。

中國の茶の歴史は長い。そして時(shí)代を追うごとにさまざまな飲み方が発生した。茶はさまざまな文化と融合した。隋?唐の時(shí)期には例えば、茶は寺院の中に入り「禪茶」の風(fēng)習(xí)ができた。宋代になると「點(diǎn)茶」という技能も登場(chǎng)した。これは抹茶を點(diǎn)（た）てた際に、表面に文字や絵を浮き出させることだ?！更c(diǎn)茶」の名人は書畫の名人と同様に尊敬された。

中國茶は種類が豊富であり、緑茶、ウーロン茶、黒茶、紅茶、黃茶、白茶に大別される。キームン茶は、紅茶の中で極めて重要な茶だ。

■キームン茶には「包容力」があるから中國人にも西洋人にも愛される

キームン茶には「包容力」という特徴がある。中國人が茶に最終的に求めたのは、茶葉本來の風(fēng)味だ。しかし西洋では茶にさまざまなもの、例えば砂糖やミルク、あるいは果物のジャムなどを加えることを好む人が多い。いわば調(diào)合茶だ。キームン茶は茶葉の純粋な風(fēng)味を楽しむのにも、調(diào)合茶として楽しむのにも適している。

キームン茶は、発酵茶としてはもっと穏やかで控えめであり、人の生理と精神のケアのために、とても適している。

キームン茶は、國際市場(chǎng)で高く評(píng)価される中國茶のブランドだ。中國茶が國際化していく道の、最初の窓口とも言える。キームン茶の茶樹の個(gè)體群は、中國で國から初めて認(rèn)められた茶樹の優(yōu)良品種でもある。これまで數(shù)十の國と地域が、キームン茶の茶樹の枝を?qū)毪?、挿し木などの方法で増やした?/p>

■キームン茶をめぐる現(xiàn)狀と、次の発展の方向性とは

祁門県がある安徽省黃山市は2021年末に、「萬里のティーロード」の保護(hù)と世界文化遺産の登録を目指す都市連盟のメンバーになった?！弗匹）`ロード」は「シルクロード」に続いて、ユーラシア大陸で勃興したもう一つの重要な國際交易ルートだ。キームン茶は「ティーロード」を通じて、ドイツ、英國、米國、ロシアなど80余りの國と地域に輸出された。

祁門県は現(xiàn)在、自らが「世界紅茶の都」となるべく努力している。生産基地、ブランド性、品質(zhì)面、事業(yè)のけん引、文化との融合という五大向上プロジェクトに力を入れ、茶園の安全と茶葉ブランドの確立に重點(diǎn)を置き、茶文化と観光の融合を深化させ、地元のキームン茶文化旅行産業(yè)の成長を促している。

キームン茶はこれまで何度も、中國の外交活動(dòng)において「國事禮茶」に指定された。茶葉が外國要人に贈(zèng)呈されたことも多い。

例えば今年になってからは、第3回アフガニスタン隣國外相會(huì)議や「アフガニスタン隣國+アフガニスタン」外相対話會(huì)など一連の外交活動(dòng)が黃山市內(nèi)で開催された。そして中國內(nèi)外から集まった要人をもてなす茶として、キームン茶が使われた。キームン茶はこのことで、改めて國際舞臺(tái)で注目されることになった。

キームン茶の文化はは常に開放的な交流の文化であり、東西文化の往來や、各國交流の強(qiáng)化に一定の役割を果たしてきた。外國からのお客様をキームン茶のような素晴らしい茶でもてなすのは、まさに「茶禮」であり、禮節(jié)の國である中國の風(fēng)格や中華の優(yōu)秀な伝統(tǒng)文化を示すことだ。中國のことをよりよく知ってもらう場(chǎng)に登場(chǎng)させるのに、キームン茶はまさにうってつけだ。（構(gòu)成 / 如月隼人）