EUやアメリカとの関係をウクライナは強(qiáng)めているものの、歐米諸國はウクライナの航空機(jī)や兵器にはあまり関心をもたなかった。そこに登場したのが、ウクライナの航空機(jī)や兵器に非常に強(qiáng)い関心をもっている中國だ。これまでウクライナは數(shù)々の軍産品や技術(shù)を中國に提供してきている。中國とウクライナの関わり合いは軍需産業(yè)面だけではない。中國は、ウクライナのインフラや農(nóng)業(yè)、エネルギー分野にも巨額の投資をしてきた。

特に中國は、ウクライナの航空機(jī)や軍事関連技術(shù)に非常に強(qiáng)い関心を寄せている。中國の航空機(jī)製造會社「北京天驕航空」はウクライナのモトール?シーチ社の経営権を購入しようと試みているといわれている。モトール?シーチ社は軍用航空機(jī)エンジン分野において世界有數(shù)の製造會社である。

今年4月にウクライナの都市ザポリージャにあるモトール?シーチ社に対して、ウクライナ保安庁が強(qiáng)制捜査をおこなった。ウクライナ裁判所によると、2017年9月に中國の「北京天驕航空」がモトール?シーチ社の経営権を購入するために介入し、中國がウクライナの防衛(wèi)産業(yè)に深刻な被害をもたらす可能性があるとしている。強(qiáng)制捜査はウクライナ最高裁判所によって許可されていたものだが、モトール?シーチ社の共同経営者ヴィヤチェラフ?ボグスレイエフ氏は、強(qiáng)制捜査は政略的動機(jī)によるものであり違法だと抗議している。

一方で、ウクライナが中國の所有する重要兵器分野に密接に関わりを持つ製品を、アメリカにも提供した例は他にもある。有名なものとしては、先進(jìn)的防空システム用レーダーのアメリカへの提供がある。

ウクライナは、アメリカに対して、2臺の「36D6M1-1」という移動式レーダーを提供している?！?6D6M1-1」レーダーはロシアの先進(jìn)的防空システムS-300に使用されているレーダーだ。S-300防空システムにはバージョンによって幾つかの種類があるが、中國軍も數(shù)多く導(dǎo)入しているものだ?！?6D6M1-1」レーダーはアメリカ?フロリダ州にあるオーランドにもちこまれ、アメリカ陸軍によって技術(shù)的分析がおこなわれ、また仮想敵として使用されている。

以前にもアメリカは、S-300を1990年にベラルーシから購入している。そのためアメリカは、ひとそろいのS-300防空システムを所有しており、ネバダ州にあるネリス空軍基地內(nèi)に保管されている。だが、「36D6M1-1」は新型レーダーであり、ベラルーシから受け取ったものより進(jìn)歩したものだ?！?6D6M1-1」レーダーは、レーダー反射斷面積（RCS）0．1平方メートルの巡航ミサイルに対応できるとしており、一説にはステルス機(jī)に対してもある程度まで有効だと言われている。

アメリカ側(cè)がウクライナの軍事技術(shù)の中國への流出を懸念する一方で、中國も舊ソ連やロシアから取得した軍用品や技術(shù)の情報(bào)が、ウクライナを通じてアメリカへ漏れることを心配しなければならないような狀態(tài)だ。なんとも皮肉なめぐりあわせである。

■筆者プロフィール：洲良はるき

大阪在住のアマチュア軍事研究家。翻訳家やライターとして活動する一方で、ブログやツイッターで英語?中國語の軍事関係の報(bào)道や論文?レポートなどの紹介と解説をしている。月刊『軍事研究』に最新型ステルス爆撃機(jī)「B-21レイダー」の記事を投稿。これまで主に取り扱ってきたのは最新軍用航空機(jī)関連。

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