17年には普通選挙が実施される予定だったが、全人代は立候補(bǔ)者選びについて、従來(lái)の選挙委員會(huì)を指名委員會(huì)に代え、指名委員會(huì)が2、3人に限って候補(bǔ)者を認(rèn)めると定めた。中國(guó)大陸側(cè)の意向に反する人物は事実上、行政長(zhǎng)官選になれない仕組みだ。

周氏によると、全人代による選挙方式への介入は「1國(guó)2制度」の破壊だとして民主派が怒った。中高生は授業(yè)をボイコットした。街頭運(yùn)動(dòng)には一般市民も加わった。警察が催涙弾を使用したことで人々の反発は高まり、デモに加わる人はさらに増えた。警察の暴力は抗議運(yùn)動(dòng)に関係ない一般の買(mǎi)い物客にも及んだ。

抗議側(cè)は香港政府とも討論したが、香港政府は中國(guó)に逆らえないことがよく分かったという。雨傘運(yùn)動(dòng)の街頭抗議活動(dòng)は當(dāng)局側(cè)に押さえ込まれる形で14年12月中旬までに終結(jié)した。黃氏は、「雨傘運(yùn)動(dòng)後には失望感も出た。民主の実現(xiàn)に疑問(wèn)も出た」と認(rèn)めた。

しかしその後、香港を巡る中國(guó)の動(dòng)きはさらに不穏になっていった。2015年には、中國(guó)共産黨上層部のスキャンダルやゴシップなど中國(guó)大陸では販売できない書(shū)籍を扱っていた書(shū)店の関係者が次々に姿を消した（銅鑼灣書(shū)店事件）。同事件はしばらくして、中國(guó)當(dāng)局による拉致だったと分かった。

17年1月には実業(yè)家の蕭建華氏が香港のホテルから連れ去られた。蕭氏は山東省出身で、中國(guó)共産黨黨員でもあるとされる?，F(xiàn)在は腐敗事件にかかわった疑いで北京市內(nèi)の某所で取り調(diào)べ中との説もある。

黃氏らは同事件について「親中派が中國(guó)の権力爭(zhēng)いに巻き込まれた」との見(jiàn)方を示し、「香港では最低限の安全が保証されていると思われていたが、絶対ではなくなった」、「英國(guó)やスウェーデンなど外國(guó)國(guó)籍を持っていても拉致された」、「イミグレーションを通過(guò)し本土に運(yùn)ばれた」として、「中國(guó)共産黨は香港で、中國(guó)の法律にもとづいて行動(dòng)している」と主張した（筆者注：中國(guó)側(cè)の拉致が事実とすれば中國(guó)本土の法律でも認(rèn)められない行為）。

■香港で「1國(guó)2制度」は崩れた、すでに「1國(guó)1．5制度」だ

香港では16年9月に立法會(huì)（議會(huì)）選挙が実施された。注目を集めたのは獨(dú)立派政黨の青年新政からも當(dāng)選者が2人出たことだ。しかし梁振英行政長(zhǎng)官らが、2人は10月の宣誓式で定められた宣誓文を唱えなかったなどとして、議員資格の剝奪を求める訴訟を起こした。2人は敗訴し、議員資格を剝奪されることになった。

周氏らは、「香港には三権分立や法治があるはずなのに香港政府の法解釈で議員を辭めさせられる。実際には中國(guó)當(dāng)局の考えだ」などと主張。梁行政長(zhǎng)官らは12月になり、宣誓に問(wèn)題があったとして、新たに議員4人に対して、議員資格の剝奪を求める訴訟を起こした。うち1人は黃、周両氏の所屬するデモシスト主席（黨首）の羅冠聰氏だ。

周氏らは、裁判で敗訴すれば2000萬(wàn)円以上の費(fèi)用がかかると説明。政府側(cè)による訴訟攻勢(shì)が、発足して日が淺い政黨にとって金銭面でも大きな脅威になっている実情を紹介した。