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誘惑には確固たる態(tài)度で臨む

1988年8月の來(lái)日時(shí)、16歳の方永義の日本に対する印象は「清潔」の2字であった。初めて日本の會(huì)社でアルバイトをした時(shí)、方永義は會(huì)社の厚い絨毯を見(jiàn)てぼう然としてしまい、靴で踏むことがはばかられた。彼は靴を脫ぎ、はだしで絨毯に乗った。「私もこの國(guó)でこんな會(huì)社を持つぞ」と、方永義は心に固く誓った。

夢(mèng)を追う道では、苦労や困難だけではなく、抵抗できないさまざまな誘惑もある。當(dāng)時(shí)日本でアルバイトする留學(xué)生は、頑張れば一日で1萬(wàn)円稼げた。これは何を意味するのか。當(dāng)時(shí)の1萬(wàn)円は人民元400元に相當(dāng)したが、その時(shí)代の中國(guó)のサラリーマンの月給は200元ほどであったので、とても素晴らしく思えたのだ。言い換えれば、日本で一日アルバイトをすれば中國(guó)の一般労働者の2カ月分の給料に相當(dāng)し、數(shù)カ月アルバイトすればみんなにうらやましがられる金持ちになれるのだ。多くの留學(xué)生がこの「目の前の利益」に惑わされていき、學(xué)業(yè)を放り出してアルバイトに勵(lì)んだ。もっと稼ぐために授業(yè)に出ずに不法滯在者になってしまう者すらいた。

こんな誘惑に対し、方永義は踏みとどまった。金のために掃除の技能だけを身に付けて帰國(guó)するなんてとんでもない。自分の今後の人生をどうするか、夢(mèng)はどうするのか。方永義は節(jié)約して大學(xué)で學(xué)ぶことを選び、夢(mèng)を?qū)g現(xiàn)するための貧乏街道を歩き続けた。1998年3月、方永義は修士課程修了後、日本のタイヤ回収企業(yè)に入社し、國(guó)際業(yè)務(wù)を?qū)Wんだ。半年後、方永義はその業(yè)務(wù)は難しくもなく自分でもできる、自分が腕を揮う時(shí)が來(lái)たと考えた。

彼はまもなく鄭輝と知り合い意気投合し、10月には株式會(huì)社永輝商事を設(shè)立した。學(xué)校を出たばかりの二人は資金もなく、両親からの援助も期待できなかったが、二人の実家では駆けずり回って1200萬(wàn)円をかき集めてくれた。この金額では日本の會(huì)社の場(chǎng)合、一取引しかできない。うまくいかなければすぐに倒産してしまう。子細(xì)に検討した結(jié)果、永輝商事は古いパソコンの回収に目を付けた。日本の家庭ではパソコンをどんどん買(mǎi)い替えるが、不用になったパソコンは粗大ごみとして処分する費(fèi)用を払う必要がある。永輝商事ではこれらの不要パソコンを安い価格で買(mǎi)い取り、中國(guó)に輸出した。數(shù)臺(tái)、十?dāng)?shù)臺(tái)から最後にはコンテナにまで拡大し、永輝商事は初期資金を稼ぎ出し、その後は急速に大きくなった。會(huì)社を設(shè)立して15年間赤字になったことがないのは奇跡と言ってもよい?，F(xiàn)在、永輝商事グループは800名の従業(yè)員を擁する多國(guó)籍企業(yè)へと発展し、太陽(yáng)光発電、半導(dǎo)體事業(yè)、特殊材料製造、IT業(yè)、ホテルサービス業(yè)、飲食業(yè)へと業(yè)種も拡大した。永輝商事の成功は、優(yōu)秀な経営能力は往々にして正確な眼力から生まれ、それには理想を?qū)g現(xiàn)するための長(zhǎng)年鍛えたビジネス脳が必要であるということを証明している。